バルタン星人が川崎で橋頭保を立ち上げ、3年前から新橋にも蒸留所を進出させている「怪獣酒場」。地球人が通う営業時間に、平日の店内では怪獣や宇宙人は姿を見せないと言われている。

 しかし! つくばーどが編成した特殊部隊HIMAR(ヒマー・・・って、ほんと暇な奴らなのよ)は、5名のうち3名が10月生まれという「誕生月特典権限」を有している。
 よもやいきなり、それだけの数の地球人が、怪獣を隠している秘密の部屋に乱入するとは、店長のメフィラス星人でも思いつくまい。
 という作戦のもと、まず新橋蒸留所の関門である「ジャミラの査察」を受ける一同。ところがここには大きな穴があった。
 ジャミラの口に手を入れ、ウルトラ戦士でないことを証明されなければ入店できない新橋蒸留所だが、なんと少し遅れてやってきたイワサキ隊員は、査察どころかジャミラなど無視して堂々と店内に入ってきたではないか。
 おまけに怪獣、宇宙人の憩いの場であるはずの同店の販売コーナーから、ハマタニ隊員はウルトラ警備隊のネクタイピンを見つけてしまう。ここで店側に悟られてはならないと、ピット星人のふりをしたアラレ隊員とミゾレ隊員はバルタン星人の腕を模したサラダ用トングを買い求め、ライゾー隊長は次々と料理を注文して攪乱に出る。

 

 一同、20代と50代の隔たりはあるものの、直撃世代と英才教育世代の集まり。名だたる怪獣や宇宙人の映像を見ながらウルトラ談議に花を咲かせる。が、近くのカップルの女性が、店員が着ているシャツよりもピシッと決まった「ダダ柄のワンピース」であることに目が行き、どこで売っているんだろうとか、自ら作ったのではないかなどと話題がどんどん展開する。彼女が彼氏同伴でなかったら、絶対に声をかけて聞きだしに行ってしまっただろう。
 そして頃合いを見計らったライゾー、ハマタニ、ミゾレの3名は
 「我々はオクトーバーズだ。秘密の部屋に案内してもらおうか」
 と襲撃行動を起こす。
 はたしてそこには、宇宙怪獣エレキングが待ち受けていた。
 10月誕生月の面々は次々とエレキングの懐に飛び込み、電撃をかわして攻撃に出るが、ミゾレ隊員はなんだかうっとりほろ酔い加減である。
 戦いは映像の通り、ハマタニフラッシュでエレキングを撃退し、HIMARの作戦勝利に終わった。