低気圧vsハイパーてるてる結界
結界はお見せできませんので、現地の様子を
 資料写真が必要となり、その撮影のために何人かのエスクードユーザーさんに都合をつけていただき、日時と場所を決定したのは、4月15日のこと。
 連休が明けた後なら、五月晴れの清々しいコンディションで集合できるかなと思っていたら、撮影日直前になって、非常に強い勢力の台風2号が発生してしまった。
 台風が日本列島に接近するまでには余裕があったが、前線が活性化して、撮影当日の天気予報が二転三転。降水確率が上がったり下がったりで、結局は午前6時から雨の懸念となった。
 こういうときは、霙のてるてる結界に頼ることになるが、念のために

 「ハイパーてるてる結界を作って!」

 と、強力なやつを作ってもらう(結界はお見せできませんが、翼の付いている てるてる坊主とご想像下さい)
 その結果どうなったかというと、午前7時あたりから雨雲が切れ始め、9時台には薄日が差してくるくらいに天候が回復。気温は低めで風は強かったものの、幌を外したり屋根を開けたりの撮影は順調に進んだ。
 海岸に影響を及ぼさない範疇にとどめて、3代目エスクードの試乗をさせてもらうことも出来た。2.7XSと、2.0XG(5MT)の乗り比べで、XSをハイレンジのままで走らせると、ESPの介入でタイトターン時に駆動力がかからなくなることがわかった。スロットルが一時的にカットオフされ、その後停止、数秒で回復し、1速から再発進することとなる。
 XSの所有者であるsugiさんに聞いてみると、
 「雪上や泥のオフロードではアクセルの踏み込み量に関わらず適度にスロットルが絞られる、という動きはあるが、停止は経験の無かったリアクション」
 だという。また、午後には雨が降り出し、砂の表層が濡れた状態になると、
 「直進時でも、アクセルをいくら踏んでもエンジンは2200rpmくらいまでしか上がらない、というのがありました。この場合はESP作動灯は点滅していませんが、おそらく微妙なスリップを検出してスロットル制御していたと思います」
 砂地は圧雪や凍結路面とは異なり、タイヤは滑るというより埋もれていくため、ホイルスピンから誘発するスタックを防ぐ制御なのだろう。意外にも砂地においては、ESPを持たないXGのほうが、オープンデフで直結四駆に慣れた者にとっては運転がしやすい。そのXGも、センターデフの効果で、リアを滑らせようとしても滑りにくい。ふかふかの砂地だと、2速でもトルク不足に陥るとの声を聞いたが、実際に運転させてもらったところでは、3速でも走れることは走れる。
 スタック予防に、これらの走行補助装備は心強いが、試乗に用いた地形の砂は、そこそこ深くても埋まってしまうほどではなく、スタックに陥らない(そんな絶対条件はあり得ないのだが)前提ならば、オープンデフ、直結四駆で走った方が、コントロールしやすい体質になっている自分を再確認した。
 余談だが、砂地を走るとき、3代目エスクードは絶対に窓を開けないこと。サイドウインドーにものすごい量の砂が、ターン中の前輪から巻き上げられる。