パークアルカディアは金砂郷に所在しない。仕方がないから買い出し部隊が金砂郷に先乗りし、無理やり常陸新蕎麦を食いに向かってアリバイづくりをしていたという(しょーもない話だ)。
 もともと第1回目には金砂郷とアルカディアをつないでイベントをしていたなごりなのである。なにとぞご勘弁を。
 忘年会は夕方から。買い出しして出し物のおでんを煮込んでも午後からで十分間に合う。
 と言っていたのに、

 「べっぴんさん(朝ドラ)も見たいんで、渋滞前に東京を越えます。あ、主要な買い出しはやっちゃいましたから」

 などと気が利き過ぎのSIDEKICKさんに朝着されてしまう。
 ま、間がもたんではないか! ということで、常陸大宮の隣の常陸太田にある金砂郷まで、ミーティングのタイトルを摺合せに出かけることになる。
 しかもおでんが主軸なのに、食材の中には15枚ものメンチカツが紛れ込んでいる(これは幹事の勤め先の部下から差し入れ)
 どういう献立展開になるんだ? 相変わらずSIDEKICKさんの買い出し量は常軌を逸しているし、参加人数でこれを食い尽くせるのか?
 その不安をよそに、今度は大量の大根を別鍋で煮込み始めるSIDEKICKさん。ああもうどうにでもしてくれや、で始まる忘年会。

 「いやいや、だけどこの大根とだし汁はかなりうまいよ。おでんもなかなかじゃないですか」

 「でもなんで米を炊かないんだーっ」

 「そういえばいつもより茶菓子が多くないか」

 こんな感じだが、なんだかんだ言って作った料理はすべて完食(あくまで作った分、ね)
 あとは飲み会をのんびりと繰り広げながら、来年のイベント企画会議やら歴代エスクードの何が秀でて何が劣っているのかの討論が、けっこう真面目に行われたのである。

 ところで、この日、4代目エスクードがトミカのラインナップとして発売されるという歴史的な出来事も重なった。
 残念ながら今回の参加者は初代から3代目までの顔ぶれでに4代目のユーザーはいなかったのだが、それでも3名がこのミニカーを購入してきた。
 皆、根っからエスクードが好きなのである。
 一夜明け、忘年会を撤収して一路、半数が帰路の途上につくばーど基地に立ち寄る。折しも近傍で、ここ数年メディアに取り上げられ観光行事化してきた「悪態祭り」が開催されるのを見物するためだ。
 多少時間があるので、基地内に大昔から栽培されている福来みかんの収穫もイベント化する。このみかんは一般的には筑波山麓が北限と言われているが、基地はさらに30キロ北にある。
 しかしそこを主張していくと「じゃあ、つくばーど基地って名乗っちゃダメなんじゃ?」と突込みが入るので、この件は秘匿される。
 そうこうしているうちに、山から宮司たちが供物を携え降りてくる。余所からやって来た有象無象がガラの悪い悪態をがなり立て、供物を奪い合う。
 この祭事が終わると、天狗の森にも年の瀬がやって来る。