今回の参加者
 TA01Wさん & ricoさん
 sugiさんご家族
 ふっじいさん
 雷蔵

 sugiさんから「栗駒の熊そばを食いに行きませんか?」と誘われ、宮城県栗原市の『狩人』まで出かけた。
 彼らは土曜日から宮城入りしていて、石巻や松島で美味いものを食い倒すツーリングをしており、夜になってから仙台で合流。牛タン定食夜会ののち、作戦室で夜明かししての出発となった。
 牛タン定食の夜会と作戦室での夜明かしは、大樹くんの進学相談やらふっじいくんの新婚の話やらが丑三つ時まで繰り広げられているが、中味がありすぎて書ききれないので割愛。
 栗駒といっても、高原や栗駒山まで足を延ばしたのではなく、合併前までは栗駒町と呼ばれていて、廃線まではくりはら田園鉄道の栗駒駅があった町に、『狩人』は所在する。
 熊そばとは、文字通り熊の肉が具として使われている蕎麦定食のことで、漬物とご飯一膳がついてくる。
 熊肉は歯ごたえがあるが、印象ほどには硬くない。熊はもちろん、ご主人が自ら、山で獲ってくるのだ。
 蕎麦をすすりながら、ピリッと辛めの蕎麦の汁はそのままご飯にかけて食うのである。
 マタギをご先祖に持つご主人は、「鉄砲は火縄銃のころから、桜を使って作るんです。桜の木を無垢で使うから、鉄砲の形に合うように曲げながら木を育てる。まっすぐな木を削って作っては、撃った時に銃身から伝わる衝撃で裂けてしまうのです」
 「本当は薔薇の木がしなやかでいいんだけれど、薔薇の木をそこまで育てるのは手間も年月もかかってしまって値が高くなる。だから次にいいものが桜なのです」
 などと説明してくれる。
 「最近ね、イノシシがこの辺りにも出始めて、これを駆除する仕事が増えてきた。初めて仕留めたやつは、目方が200キロあったですよ」と言いながら、その出来立ての剥製を披露してくれた。
 イノシシといえば、同じ宮城県でも南端の丸森町が、生息北限地としてアピールしているが、温暖化が進んだのかテリトリー争いが激化したのか、北端の町まで生態系を広げているようだ。
 栗駒駅の跡地には、駅舎もホームもないが、軌道だけは残されている。西へ向かえば細倉の鉱山、東へ向かえば『くりでん』の拠点であった若柳駅があり、現在は交通公園として気動車や車両が保存されている。
 若柳駅跡まで路線の名残をたどり、伊豆沼の野鳥を眺めに行ってみたが、滞在のピーク時には4000羽といわれるハクチョウたちの北帰行は数日前に終わってしまったらしく、数羽の水鳥がいるだけであった。