「ハイウエイオアシスの道の駅みぶ(北関東道壬生PA)で、賞味期限がなんと8分というモンブランが出ていますよ」
 クロさんからの連絡が入り、8分? ものには「程」ってもんがあるだろうと目が点になり耳を疑う話が舞い込んできた。
 8分。こちらの地元の小田喜商店でも賞味期限45分という和栗のモンブランを出しているが、8分とは常軌を逸しているじゃないか。
 これは検証だよねと、らいとにんぐなつくばーどを急遽設営した。

 なるほど8分。それは「バニラソフトクリームに和栗のペーストを巻き付けて作るモンブラン」だったのだ。これは保冷剤と冷蔵バッグを使っても、つくばーど基地に持ち帰れる自信がない。
 作り置きでもないため、売り切れの不安も少ない。というより、まあ冬だしね。
 混雑も無くさらっと3つを作ってもらい、参加者3人でオープンスペースにていただくが、岩間の小田喜モンブランのようなほぼ栗のみで作られる味わいはもちろん無く、8分という話題性以外には特筆するものが見当たらない。

 だけど、これはこれで美味しい。毎度のこと、クロさんの持ち寄る話題は楽しい。

 このスイーツを出しているのは、壬生でケーキ店を開く「ヒガノ」というお店。訪ねてみると、壬生藩の藩医で蘭方医として活躍した齋藤玄昌の旧宅跡に、お店はあった。
 クリスマス直後で休業かなと思ったが、そのクリスマスケーキを買いに来る客が意外に多い。まあまあ、週末だしね。
 イチゴを載せたヒガノロールがうまそうだったが、いろいろ試そうと通常のモンブランやロールのカット版、ショートケーキなどを購入した。
 街角はすっかり正月迎えの様相。週明けは寒気に見舞われるというが、この日はぽかぽか陽気だった。