8月末に妙高小谷線の全線が開通した。
 昨年、我々も杉野沢で台風直撃の夜を過ごしたが、その影響による林道各所の土石流や斜面崩壊の被害は甚大で、そう簡単には復旧できないだろうと心配していたが、一冬越してことしの本格的な修復工事は突貫で進められたそうだ。
 今年も9月下旬以降の台風被害が懸念されるが、通行可能な現在の状況を確認するために妙高市へと足を伸ばした。

 

 暗渠によって沢筋をくぐらせていた箇所を押しつぶした土石流は、その土砂とゴロ石を沿道に撤去し、斜面崩壊で道路をふさいだ土砂もすべて除去されていた。昨年、一昨年と台風被害で生じた倒木類もすべて取り除かれ、ことしの台風9号、10号の影響も少なく、路面はほぼ普請し直されてフラットダートとなっていた。
 ミレニアムの森付近ではまだ工事が続いている。
 新潟県側、長野県側ともに、ノーマルのミニバンやステーションワゴンが往来している。風景はまだ夏のそれだが、気温は12℃まで下がり、長野県側では沿道に萩の咲いている様子も見られた。
 交通量は、連休ということもあり多めだが、いわゆる林道好きのクロカン四駆は皆無。林道の走り方を知らないSUVや乗用車の走行速度は危険の領域だ。
 安曇野方面では人がクマに襲われたニュースも流れていた。妙高小谷線にもそれを警戒する必要はあると思うが、クマ出没注意の看板はなかった。


 乙見山峠からそのまま小谷村へ下り、せっかくの機会なので翡翠狭をまわって糸魚川市に移動した。5年前の大火の直前、糸魚川の街を訪ねていたので、復興の様子が気になっていた。
 町は整然と作り直され、造り酒屋も江戸前の蕎麦屋も今風の建物に姿を変えていた。風情のあったそれぞれの店舗はもう見ることが叶わないが、無くなってしまった店舗もあるだけに、営業を続けている姿には胸を打たれた。
 21日は中野市から出発して14時間。前日の買い出しトライアルも含めて全行程約800キロを走ってきたが、初代から三代目までのエスクードには全く出会わず(新月・風花さん、通りすがりの正義の味方さんの車両は除く)、四代目にも2日間で4台しかすれ違うことが無かった。
 これも時代の趨勢。