日常、分別して集積所に出した後のごみのことはあまり考えたことが無い。
 ごみからの資源回収がどのように進められているのか、プラスチック廃棄物のリサイクルを営む宮城県蔵王町の「ジェー・エー・シー蔵王資源リサイクル工場」を見学させていただいた。
 回収されたブラ廃棄物を破砕・溶融・再構築して固形燃料や二次製品に加工している。
 工場の熱源であるバイオマスボイラーにも、この固形燃料と解体廃材の木屑が使用され、処理前の廃プラの洗浄や乾燥が行われる。
 この仕組みは申し込みによって見学コースが設けられており、能動的に社会学習可能だ。
 資源活用で何ができるのかを、同社は独自に取り組み、熱源をさらに汎用させて温室野菜を栽培、それをピザなどに調理して供給するコーナーや、敷地内から掘り出された天然温泉(46℃)を加温し足湯などが楽しめる「リサイクルパーク」を整備中だ。
 9月ごろにはオープンできるという。それらの資材や工事は、やはり解体廃棄された土木建築部材が活用され、自社社員たちが工事にあたる。
 今回の見学は、「そのプロセスはパークが完成したらわからなくなっちゃうよね」という、今でないと見ることができないリサイクル実践の現場を拝見することにあった。
 中間処理企業が単独でここまでリサイクル啓発活動を展開する事例は少ない。宮城蔵王の入り口に、新しい観光スポットが誕生するといってもいいだろう。
 見学会は2時間ほど工場のお世話になり、一路東北道を村田から福島飯坂まで南下する。国見で昼飯を食った話は大したことが無いので割愛。
 見学会でТA01Wさんご家族(今回からご家族と表記)とはお別れし、パジェケンさん(JB23)を先導に新月・風花ご夫妻(TD01W)、SIDEKICKさん(TD62W)、コムロさん(TDA4W)、雷蔵・あおいろ組(TD61W)が、福島市の高津森山に向かう。
 南東北は前夜が豪雨の天候だった。その水蒸気が山々から立ち上り中腹にはガスがかかっている。
 路面のウエットだけでなく、途中の雲の中ではそれなりの雨を覚悟しなくてはならないが、この時期に注意しなくてはならないのは張り出した藪に隠れている路肩の損壊や落石だ。
 サル、イノシシなどの野生動物も警戒すべき存在(実際にサルがいた)。車外に出て撮影をするにしても、のんきにやっているわけではない。
 それも標高500mあたりから雲の中に入って土砂降りとなり、写真どころではなくなるが、同じ林道でもこれまでとは異なるコンディションを楽しめると思えば、間違いなく面白い。
 しかしこのルートも雪崩損壊が相次ぎ、補修に伴う舗装化が始まっている。
 沢の水音がかなり激しく、川渡りのコースは危険と判断され、高度を上げて中継点の吾妻高原牧場へ向かうと、雲の上に出るためもう雨は降らない。市内に降りる水沢線では薄日が差してくる。
 水沢線も路面補修されてから4年め。徐々に荒れ始めており、この夏以降は落石とクレバスだらけになりそうだ。
 それでもこの周回路線はリピーターするだけの面白さがある。