明けて8月27日。
不慮の事故によって退役を余儀なくされたとるねーどらすかるの跡目を継ぐエスクードを買い付けるため、練馬の地へ足を運んだ。
そこには断ち切ったものへの未練と、はかない望みを映し出す青い骸が眠っていた。それはまだ、骸であって、命も心も吹き込まれていない、ただの「自動車」という塊に過ぎなかった。
手入れをされずに使われ、乗り捨てられたその姿と、もらった事故とはいえ自らの未熟によって残骸となったものの姿は、ひとつに重なり、同次元の罪悪感を訴えてくる。
ひどい有様だった。
これは罰なんだな。
この錆付いた骸を走り続けられるように手を入れていくことが、与えられた罰に報いることなのかもしれないと、ふと思った。
薄汚れた青いパネルに日差しが降り注いで、僕の背後の景色をぼんやりと映り込ませる。
その景色に気が付いて振り返ると、沢山の仲間が見守ってくれていた。
逆立ちしようともビンテージな車ではなく、もちろん卸したての新車などではない、くたびれただけの一台のために、彼等は、その復活に向けた契約を見届けるためにやって来てくれた。
ありがとう、みなさん。
TD61W。このエスクードを「BLUEらすかる」と名付けて、走らせていきます。先代と較べると、長くは乗れないかもしれないけれど、二番機として、これに乗ります。
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