つくばーどin石岡U 2012の出逢い

 12月30日、北海道在住のかわねこさんがやってきた。長年乗り続けた日産テラノから、マイナーチェンジ直前の、スペアタイヤを最後に背負ったエスクードにスイッチしたことから、帰省の途中に立ち寄ってくれた(しかし、かわねこさんの帰省先は岩手県であるという不思議は、ここでは割愛)。
 何人かのエスクード仲間が集まってくれて、忘年会の第二弾のような夜会となった。
 ことしは、秋に行われた朝霧高原でのつくばーどにも、きらめきさんやまこっさん、ビリーさんといった初参加のエスクード乗りが賑わってくれた。九州では、旧知の間柄であったがだんご班長さん、ニケさんと初めて会えて、しんいちさんと再会することもできた。
 震災のあとはどことなく消沈した日々を過ごしてきたが、ことしになってから、各地のエスクードユーザーさんとコンタクトを取ることができるようになった。そこが大きな変化だ。

 始まりは5月に遡る。
 ある夜、フジ・オートの渡辺さんを通じて、宮城県在住のムラカミさんから電話をいただいた。TD61W、つまりBLUEらすかるの同型車に乗っておられた。足回りの変更について相談を受け、アドバイスのために彼を訪ねてみると、巨石遺構という全く異なる異なるジャンルで、ムラカミさんの開いているサイトを、実は知っていたことが判明した。
 白い61Wは、その後フジ・オートで足回りの換装を受け、積雪時の轍をものともしないようになっている。

 夏が過ぎて、マイナーチェンジして5型となったエスクードのサンプルが欲しいと思っていたところへ、岩手県にお住まいのみずきち80さんから、どのくらい変更が行われたのか見て欲しいとの連絡が入り、ばりばり新品のクロスアドベンチャーを拝見し、その走る姿も記録することができた。
 スペアタイヤこそなくなってしまったが、基本性能はそのままに、デビュー当時とは比べ物にならないほど向上した真面目な車づくりの成果を知ることができた。みずきちさん80とのコンタクトのきっかけは、今はエスクOBとなった井の頭の住人さんが作ってくれている。

 Uさん改めAMGさんから、テンロクエスクード用のフロントバンパーを預かり、これを仙台市民のDatezoさんに届けることとなった。以前、初代では最終型のヘリーハンセン・リミテッドに乗っていた、ちぃ♪さんのエスクードとスレ違い、エスクードに一目惚れして、何年もかけて自分の好みに合ったテンロクの5ドア(最終型TD01W)を手に入れたが、フロントのデザインを初期のショートモデルにしたいと、パーツを集めているのだそうだ。
 Datezoさんは、東北でのミーティングをやりましょうと励ましてくれる。来年は、何か仕掛けをしたいと思う。その構想を練りながら談笑は進んだ。

 そしてまたも東北の縁。
 つくば市で街づくりコンサルタントをしているitoさんから、TD51Wが50万キロに達したという電話をいただき、かねてからの約束として、このとてつもない距離を走っているエスクードを取材させていただくこととなった。なぜこんな距離が出てくるのかといえば、itoさんのご実家が岩手県釜石市。97年に新車で購入してからこの二地域を行き来しているのだから、確かにオドメータは跳ね上がる。
 最終型のヘリーハンセン・リミテッド、というのも、前述のちぃ♪さんや、BLUEらすかるの足回りの基礎を作ったたけさんと同じエスクードであり、たけさんや先代らすかると同じところから納品された個体という縁を持っている。

 そのitoさんに連れられて、つくば市から東へ走る。
 到着した一戸建て住宅の前には、イーグルマーキングを施されたTDA4Wが停っていた。実は初対面となってはいるものの、このエスクードのユーザーであるぐりおさんとは、ブログのコメントをやりとりする間柄であった。よもや、ぐりおさんとitoさんがまた、仕事仲間であるというところまでは想像もしていなかった。
 ぐりおさんはこのエスクードを購入するにあたってホンダCR−Xを手放しているが、その経緯で、もう一台の最も古くなっていたTD01Wを延命させるに至った。エスクード乗りにとっては嬉しいエピソードである。

 そして、ことしのトリを司ったのが、冒頭に書き出した、かわねこさん。テラノのあとを引き継ぐ四駆として、果たしてエスクードTDA4Wは満足のいく車なのか。そのことを話していただくと、FRテイストのフルタイム四駆には違和感はなく、絞られた車体内寸にもかかわらず、十分な積載量を持ち、パワー・トルクも過不足ないという上出来の評価を出してくれた。
 我々はエスクードを崇拝しているわけではないし、ましてやスズキの関係者でもない。ただひとつ、日常と非日常の境界線を超えて、手に馴染んだ道具として動いてくれるこのマイナーな四駆に、同じではないにしろ極めて近い親しみを持つことができた者同士だということだ。
 こうした仲間たちに出会えたことで、誕生24年目のエスクードは、まだまだ元気に走り続けていることをレポートでき、四半世紀めの扉を開くことができる。