実はSUZUKIっず こみせ通りを行く
 一足先に引きあげるみっつぃーさんとこばぁさんを送り出し、白神爺。さんは、
 「こみせ通りに行ってみるかい?」
 と、ロードスターをガレージに残して、ワゴンRを持ち出します。おお、実はSUZUKIっず!(レガシィグランドワゴンもあるのだけれど)
 こみせが構築された時期は江戸時代に遡り、風雪、雨や日ざしから軒下の歩行者を保護する、木造のアーケードといったところ。国内での現存例も少なく、貴重な風景を眺めることができます。
 なるほど路地裏も狭いこみせ通りを往来するには、いかにコンパクトジャンルのエスクードといえども威圧感があります。
 ちょこちょこと角を曲がって路地を抜けていくのには、ワゴンRは最適なコミューターであり、乗用にも商用にもベストセレクトなクルマです。
 通りを訪ねた日は、月末に行われるねぷた祭りに先駆け、ここで定着しているクラシックカー展示会の直前でした。立ち話をしている真横を、コスモスポーツがとことこと走り去っていきます。
 「レトロカーとクラシックな町並みのコントラストがね、車に乗っている面々にはたまらなく映るの」
 白神爺。さんのロードスターも、いずれそのなかの1台に溶け込んでいくのかもしれません。
 「それでも、市全体で見ていけば、経済活力が右肩上がりの時代は昔話。通りを維持していくことも精一杯でしょう」
 100m程度の小さな区画。歴史を背負っていなければ、簡単に再開発事業が街を取り壊していたのではないか。古い町並みが残されていく背景も、残されるなら残されるなりに、苦しい事情がある。どこの地方都市でも同じですね。
 「ところで、八甲田には行くの? 今度こそは、あの場所に行ってみなさい。萱野高原よりも絶句するからね」
 白神爺。さんは、前夜から「どこをどう案内しようか」と、いろいろなコースを考えてくれていました。
 2日前にいきなり連絡したというのに、恐縮です。それは次回、じっくりとプランを練って、丸1日と翌日も、というコースで、乗り込ませて下さい。