”コマンドポストより入電!”
 ”つくばーど基地襲撃警報!”
 ”迎撃体制に入れ!”

 ”今回の作戦名は”
 ””X-90で山遊べ!””
 繰り返す”X-90で山遊べ!”

 よって要員は前日までに実弾装備にて襲撃に備えよ!! 以上!


 突然、飛び込んできた伝令に、各地のSUZUKIっずが
 「花粉症がつらーい!」(TA01Wさん)
 「X−90乗ってみたーい」(TA01Wさんの奥方)
 「花粉症の薬を携えて行ってしまおう」(はまたにさん夫妻)
 「洗車しなきゃ・・・」(コムロさん)
 「修理中断だよーっ」(雷蔵)
 「おっ!」(青影さん)
 「パン買ったら追いかけます!」(こし亀さん)
 「いま仕事終わりました!」(とにぃさん)
 等々のリアクション。さあ何が起きた?

 X-90で山遊べ!

 この作戦名が効果てきめんだった。
 X−90といえば、kawaさんがV6ノマド「おたふく弾丸エクスプレス」の整備時に代車として扱っている、赤い車体のこと。web上ではときどき見かけるものの、この個体を実際に目にした人はほとんどいない。
 そのX−90で、kawaさんがつくばーど基地に物資搬入するというから、伝令を聞いた面々は「物資より車!」「見に行っちゃえ!」と色めき立つのも当然のことだ。

 「ノマドのエンジン載せ替えが長引いて、僕もそろそろ弾丸特急したかったので、代車で行くからと連絡したんですよ」

 それは軽いノリの伝令だったのだけれど、予想以上の反応(しかし、なんですね。襲撃する人が自ら迎撃伝令を発令しているという)
 kawaさんもその気になっているところへ、別便の連絡。
 
「ノマド、作業終わったよー。エンジンちゃんとかかるよー」
 
これにはkawaさん大慌て。「見たい」「乗りたい」「迎撃に行く」と、次々と入ってくるリアクションを前に、引っ込みがつかなくなってしまった。整備の終わったというノマドはノマドで、フルオーバーホール済みのリビルドH20Aを組み込んだ、ν弾丸エクスブレス。そりゃあkawaさん自身が、いち早く乗り出したいじゃないですか。

 「でもねー、コンバチエスクが2台、カプチーノまで来てくれるとなったら、X−90で行くしかないですよねえ」

 kawaさんはやむなく、車屋さんを素通りしてつくばーど基地に物資を届け、予定通り仲間の迎撃に身を晒してから、ν弾丸エクスブレスを取りに行くこととなった。
 

 今は石岡市に編入され、町の名は無くなった八郷の喫茶店には、2台のエスクード・コンバーチブル、カプチーノがX−90を出迎える(いや実際には、はまたにさん夫妻は基地に先乗りしていて、kawaさんも基地を訪れてから、3台で出かけたんですけどね)
 
「グランドエスクードが修理中なもんで、ひでこさん(奥方)からカプチーノ借りてきた」
 とはコムロさん。Tバールーフに屋根を開けたX−90よりさらに能動的にフルオープンでやってきた。
 「うちの幌車もトランスファの修理に入ったところだったんだけど、昨日の伝令でしょ? それじゃあBLUEらすかるで出るわけにはいかないかって、回収してきたよ」(雷蔵)
 
「三浦半島に続いて、めったに見られない第2弾だものね」(はまたにさん夫妻)
 つくばーどin三浦半島では、幌エスク5台の隊列という、あるようでなかった組み合わせのツーリングが行われたが、今回は屋根を開けられるSUZUKIが集合という、これもまた珍しい取り合わせとなった。
 
「次回は、だいすけさん夫妻にも幌ジムニーで来てもらえると良いねえ」
 ν弾丸エクスブレスをあきらめてでもX−90を選んだkawaさん、面目躍如。TA01Wさん夫妻とこし亀さんが合流し、風返し峠経由で表筑波スカイラインに上がると、青影さんととにぃさんが待っていてくれた。
 実は屋根付きエスクードが加わっても、今回は珍しいことがひとつ。排気量は2種類だが、この日そろった3世代のエスクードは、全て直4シリーズであった。

 
「では! ノマド引き取りにいってきまーす!」
 
目的を達成したkawaさんは、颯爽と峠を下っていった。