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《つくばーど in 筑波山周遊》
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標高900mにわずかに満たない筑波山の紅葉は、懐に飛び込まないと味わいにくい控えめなモノだ。04年10月から無料開放された表筑波スカイラインの沿道では、懐とは言い切れない。
「ということは、今度のツーリングは女体山から男体山にかけて、登山道をよじ登ると?」
「で、できるかそんなことっ! 手が後ろに回っちゃうぞ」
「しかしそこまでやらねば、懐とは言えないでしょー」
「弁慶七戻りや母の胎内をくぐれるほど、エスクードは小さくないんだい」
「なんだ、企画倒れのツーリングだ」
(そゆこと言うやつは、泣かしてやる・・・)
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筑波山をぐるっと一巡りしようとすると、中腹を周遊するルートとなる。筑波スカイラインや表筑波スカイラインなどは別格として、筑波山周遊の道は、つい数年前までは全線未舗装であった。
残念ながら、現在は約4km程度のダートを残すのみだが、袋小路の林道や、足尾山から加波山にかけての北稜線を横切る林道、枝線を加えれば、もう少し、昔ながらの道を楽しめる。場合によってはガレ場のハードトレイルだ(エスクードだからか?)
今年の台風の影響によって、最も難所の林道は路肩を50cmほど残した崩落で、4輪の通行が不能だ。これは不幸中の幸い(おいおい、いいのかそれで)。肩の力は抜き、散歩気分で山に入る。
写真はないが、入ったとたん、パワーショベルを積んだトレーラーが、その車高のために、倒木に阻まれ立ち往生している場面に遭遇。いきなりこの道は撤退かと思いきや、トレーラーのドライバーはにこにこしながらショベルを荷台から降ろし、トレーラーとショベルを別々に動かして、倒木くぐりをクリア。
「いやすまないねーっ」
「いやー、目から鱗が。ってのを見せてもらいましたー」
のっけからノリがいい。
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今回のツーリング参加者。
青影さん:LA−TA52W(2代目L4−2000ccハードトップ)
カイさん:LA−TA52W(2代目L4−2000ccハードトップ)
たけさん:E−TD51W(初代L4−2000cc5ドア)
嵐田:E−TA11W(初代V6−2000ccハードトップ)
4台のうち、直4のエンジンはすべて同型のJ20A。たけさんのエスクードを挟んで、2000ccのエスクードが初代から2代目へと移行していく図式が再現されている。そしてこの2台の2代目たちは、2004年11月時点では、国内投入モデルの最後のハードトップという希少種。
さらに、すとらいくらすかるは、SUZUKI初のV型6・・・は、この際どうでもいい。
最近「天久/AMAKU」と名付けられたカイさんの52Wと、すとらいくらすかるは、翌週の妙高高原行きに備えて、少し早いがスタッドレスタイヤを新調し、その慣らしとインプレも兼ねた。カイさんはジオランダーIT、らすかるにはDM−Z3が導入された。どちらもかなり柔らかめのコンパウンド。お互い乗り心地はよく、ロードノイズも小さい(ジオの方が静かのよう)。小砂利をやたらと咬み込むのは、双方致し方ない。
青影さんは、バイクによる林道ツアラーだったが、コンパクトで機動力のある四駆がほしいと、エスクードを選んだ。ロードスポーツ風に仕上がっているが、足回り、タイヤ・ホイールなどにしなやかさと軽量さといった探求を重ねている。
たけさんのヘリーハンセンリミテッドは、エンジンの不調から復帰したものの、駆動系の消耗も続いており、維持管理に悩みが出ているという。それでも苦心を続けた“見た目ノーマルのクロカン仕様”には、ピカイチの存在感がある。
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タイムトライアルでもなく、クロスカントリーでもなく、淡々とツーリングは進む。山の懐に入っては、眺望が開けることも少ない。適度に変化する道の様子と、ようやく色づき始めた紅葉をぽつぽつと見物していくだけ。でも、それが楽しい。これは間違いなく、控えめであってもクロスカントリー性能を持つエスクードだからだ。
このままトラブルもなく、なんてことのないツーリングに終わるかと思われていたが、予想もしないハプニングは起きた。昼食のために一度山を下り、サトの蕎麦屋に入った4人のうち、直4組は以心伝心でカツ丼を注文したのである。
むむむっ、V6勢(1人だけど)は、天ザルを頼んでしまった。さすが同型エンジンの結束は硬い!
が・・・
「ごめんねー、カツ丼ね、最後の1人前分しかないのよー」
「なんだとーっ」
というわけで、まさしく勝者のカツ丼となった最後の1人前は・・・誰の胃袋に収まったかは内緒である。
しかもよく見れば、ミニうどん、香の物とのセットではないか。
再び、今度は眺望の利く稜線に駆け上がり、災害封鎖の林道をキャンセルしながら景色を楽しみ、日没とともに残る未舗装路を駆け下る。
実にコンパクトな林道ツーリング。筑波山界隈も、廃棄物の不法投棄対策として、多くの林道にゲートが降りてしまった。走れるルートは、ずいぶんと限られている。それでも、今回のルートは、まだ半分程度の行程だ。何年ぶりかで踏み入れた周遊。また誰かと連れだって遊びに来よう。
そのとき、勝者のカツ丼にありつけるのは、いったい誰になることか・・・
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