いつか杜の都へ
 TD62Wは、唯一、BLUEらすかると同じV6の2500ccエンジン・H25Aを搭載したモデルだ。

 「乗り手を選ぶというのか、エスクードの中で言うトルクの太さを理解して、やたらと回さない運転をできる人なら、軽快で快適に走らせることができるモデルです」

 ТA01W、ТD01Wを乗り継ぎ、このV6の2500を手に入れたこし亀さんは、エスクード以前にディーゼルエンジンのランドクルーザーに乗っていた。トルクで車を走らせる乗り手だからこそ、これまでで最も乗り方にマッチしたエスクードとのコンビネーションであったという。
 そのこし亀さんに転勤の辞令が下りることとなり、首都圏を離れるにあたって、エスクードを手放す旨の連絡が届く。
 勤め人だから、そういうことはある。出張にかこつけて仙台までやって来ることも画策してくれたそうだが、年末の多忙さでそれは叶わなかったという。職場の方は年明け早々の異動だと聞き、それならばと、こちらが仙台から走った。
 実際に全長と全高は、2代目の方が小さい。しかし100ミリの長さの違いは、いままで気になることもなかったはずだったが、やはり62Wはコンパクトに見えた。

 「あまり乗ってやれなかったのが心残りかな。ロングランは、次に乗る人にゆだねて、僕はウォームアップをさせてもらったということにしましょうか」

 手放すエスクードの処遇についても、最善を尽くしてくれていた。バトンをつなぐ手立ての最中だとか。転居にあたってそこまで働きかけてくれていることに驚かされた。ともあれ、見送りに来てよかった。