今回の参加者

 和邇さんとマナさん親子
 はまたにさん
 嵐田風花さんと新月さん
 AMGさん親子
 青影さん
 ふっじいさんご家族
 雷蔵んち

 例年開いている月遅れの新年会は、ことしに限っては3月にずらしているため、正月は何事もない・・・わけがないのがエスクード仲間の旺盛なところ。

 「私とはまたにさんと風花さんの車はそろって1992年式で、昨年無事に20年を過ごしたのです。そこでこの3台の成人式をやりたいなと思っているのですが」

 逆輸入車のSIDEKICKに乗っている和邇さんがそんな提案をしてくれて、急遽それぞれの都合を伺ったら時間の融通が利くという。さらに

 「しまった! ということはうちのぷらすBLUEはおととし20年めで、去年が成人の年回りだったのかーっ」

 と地団駄を踏んでいたら、AMGさんが一言。

 「雷蔵さん、俺のコンバーチブルも91年物」
 「あっ、仲間だ。それじゃあ我々、一浪組で混ぜてもらいましょうよ」

 というノリで企画が成立したのである。
 かくして、天狗の森の山頂にある神社に参拝しようと、節目を迎えたエスクードたちと、ちょっと乗り遅れたエスクードたちが、いつもの山道を駆け上った。
 この日成人(車)を迎えた所有者たちは、それぞれのエスクードやSIDEKICKを、92年の新車登録時からずっと、親しみを込めて乗り続けているという、生粋のユーザーでもある。
 オーバーヒートをしたり電装系のイグニッションだけ動作しなくなったり、エンジンブローで載せ換えを行ったり、床板がサビで穴だらけになっても張り替えたりの、紆余曲折のエスクードライフを送り、今日に至っている。
 つくばーどには、地球と月の距離を走るとか、全員の積算走行距離で火星を目指すなどの馬鹿みたいな企画が存在するが、1台の車を20年走らせるという愛着は、馬鹿どころではなく偉大と言ってもいいかもしれない。
 そして節目を迎えたユーザーたちに、次に巡ってくる車検をどうするのか尋ねてみると、

 「そりゃあ通しますよ。まだ乗るもの」

 表現するだけ野暮な言葉だが、まさにつわものたちである。

 ところで、この日、青影さんが乗り続けてきたTA52Wが、退役のラストツーリングとして天狗の森に来てくれた。つわものたちのエスクードよりも年式は若いが、10年という決められてきた区切りを迎えたのである。
 二代目のショートボディは、仲間たちのエスクードの中でも貴重な存在だったが、峠仕様に仕上げてきたこの車の最後のステージに、天狗の森の山道を選んでもらえたことは、寂しい中にも嬉しい思いをいただいた。

 「貴重な機会だから、佐野のアウトレットモールに出かける途中に立ち寄ります」

 などと言ってくれたのは、エスクード乗りに混じって古くから遊びに来てくれているふっじいさん。おいおい、立ち寄りって、目的地を通り越してきちゃうじゃないか。でも彼は奥方と双子の息子娘たちを伴って、初詣がてらに顔を出してくれた。
 全員の思いが通じてのことか、天狗の森はここ数日の寒波が嘘のように過ぎ去り、春のように暖かい一日であった。