さて一夜明けた日曜日。
 予想外に寒い1日であった。
 この日、長年、仲間たちの羨望の的であった1台のエスクード・ノマドが、つくばーどの集まりとしては最後の参加として別れを告げにやって来た。
 あーまーど以前のらすかるが、最初に出逢ったバリバリのオフロードトライアラー「くろかんノマド」である。
 当時、生粋のクロカンノマドをめざして、静岡在住のだいすけさんがパイロットしていたエスクードで、はいどらさんのはいどら丸(TD01W)、ICHIROさんやもーもさんのハードトップ(TA01W)と並んで、果敢にオフロード走行やトライアル競技に出走していた。
 このノマドの凄いところは、だいすけさんのドライブを正確にトレースし、オンロードではリッター16km台をマークするというとんでもないツーリングスペシャルでもあった。
 経年劣化が進み、だいすけさんの手元から離れ、退役するかと思われたのだが、エスク道の儂さんがこれを引き継ぎ、儂さんによって、今まで現役走行を続けてくることが出来た。
 残念ながら、車検満了の日が今月末に迫り、劣化の度合いから延命は困難となった。リサイクル法の壁も立ち塞がり、廃車のあと、個体だけを保管しておくことも難しく、主要なパーツを儂さん本来の愛車である同系ノマドに移植し、現役を退くことが決まった。
 儂さんは、地元においてラストランのオフロード走行を行う。その前に、くろかんノマドをつくばーどの仲間たちに引き合わせるためにやって来てくれた。そしてその姿を見送りに、たくさんの仲間が集まってくれたことが、とても嬉しい。

 もう1台のエスクード。すとらいくらすかるは、この日仲間たちに見届けられながら、40万キロの積算走行距離を刻んだ。
 2004年9月1日に38万キロという月軌道への平均距離に到達する以前から、エスクードユーザー以外の人々にも、温かい応援の言葉をいただくようになっている。
 大きな節目は越えてしまった。
 これからどうすればいいのか。
 「10年乗り続けてくると、どんな故障や弊害が出てくるかを知っていますから、走り続けて欲しいと思う反面、それを簡単には言えないんですよ」
 同じ年式、同じエンジンのノマドを乗り続けてきた仲間の一人、コムロさんが、そっと、励ましながらも心配してくれた。
 それはとてもありがたい言葉なのだ。エスクードとしては、まだ歴代2位の距離なのだが、普通ではないこともまた確かなこと。すとらいくらすかるも、外見ほどに状態がよいわけではない。彼はそれを気遣ってくれている。
 ことし、エスクードは、いよいよ3代目が登場する。それも節目である。けれども、まだ、すとらいくらすかるで走りたい道や、訪ねたい場所がある。そして、くろかんノマドほどには、まだ、らすかるとして走り尽くすことは終わってはいないと感じている。
 それは、地球軌道への帰還という期待についてではない。還れないかもしれないし、むしろその確率の方が遙かに高い。
 しばし、目的についての話題からは離れ、淡々と走らせていきたいと思う。
 この日は、その気持ちを確認する日となった。

        

 2台のエスクードを軸にしながらも、天狗の森に集まった人々は、それぞれ楽しい話題を持ち寄り、寒さをものともしない笑顔を見せてくれた。
 そのことが、なにより嬉しい。
 走り続ける現実は独りの道のりだけれど、一人きりでは何も出来ないし、仲間たちと出逢うこともないのだと、いつも思う。
 だから、いつものように、感謝の思いで幕引きをする。
 ありがとう。きっとまた、近いうちに・・・