《トライチェイサー2000A》

 都市用の特殊白バイとして警視庁が開発したトライアル・チェイサー・2000年型オートバイの量産車。
 正式型名はTRCS−2000A、桜の代紋をヘッドパーツに持つことから、「ポリスヘッド」の通称もある。
 スペイン・ガスガス社のバンペーラをベースに、外装パネルを開発計画のまま換装、 イオンエンジンやカラーリング変更用のマトリクス機能、始動キーとなるトライアクセラーなどはコストの上であきらめ、ガソリンエンジンを搭載し、最高時速190kmを引き出せるよう調整を施した。
 バンペーラがベースに採用された理由は、路地や階段、坂道などが多い市街地から高速道路での逃走犯追跡という、異なるふたつの機能を両立させることが主眼であったためだ。
 1999年春に走行実験が完了、同年初夏から量産化が開始された。初期小隊用は3台×6個隊分(警視庁、大阪府警、長野県警などの6県)の計18台が納品され、2000年度中に大都市を中心とした各都道府県に配備された。


《2000A−β》

 都内に配備された2000Aのうち、オプショナルパーツの一部を装備した2000A−βと呼ばれる仕様(つくばーどオリジナル)。
 基本装備であるパトライト、サイレンを兼ねる外部拡声器、無線通信ユニット、書類ケースは2000Aのまま。これに補助トランクや対未確認生命体装備などを積載・運搬するための多目的キャリアと、高速走行用のフロントシールドを追加してある。
 トライチェイサーの基本フォルムを変えてしまう賛否両論のパーツだったが、2000Aの実践運用で、高速運転を行った交通機動隊から、100km/hを上回る運転でのシールド必要性が強く要請されたという。
《TRCS2000》

 トライアル・チェイサー・2000年型の量産試作車。
 全長/240cm、全高/125cm。無公害イオンエンジン「アレグロ」を搭載、最高速度300km/hを誇るスーパートライアルマシン。
 階段を昇ることも可能な高い登坂機能と、直線道路での超スピードを併せ持つほか、特殊磁気加工した塗装面によって色彩を自在に変えることのできるマトリクス機能、右側のハンドルグリップを外すと警棒を兼ねた始動キーとなるトライアクセラー、搭乗者認証コード入力型ダイアルロックなどが装備されている。
 TRCS2000の車体色は、当初はシルバーにブラックのラインを描いたものであった。初陣においても、未確認生命体4号のライディング時には、このままの車体色であったが、後にマトリクス機能が活用され、4号は黒のラインをワインレッドに、ヘッドパーツやテールノズルを金色に変換したため、「ゴールドヘッド」と呼ばれるようになる。また、4号こと五代雄介の常用時には、ヘッドやラインを黒に戻し、ボディ全体もガンメタルブラックにトーンダウンさせた「ブラックヘッド」にカムフラージュさせていた。