《ガードランサーZ-04》
 
 陸上自衛隊駐屯地内にて撮影されたと思われる、特殊装甲強化服「G4システム」と、そのの戦闘支援車両の画
像が舞い込んできた。
 開発コードZ−04。「ガードランサー」と仮称されていたらしい。
 G4システムは、警視庁が未確認生命体鎮圧用に開発した強化服シリーズをベースとしたものだが、警視庁での
開発研究時点で「装着員への身体負荷が大きく、長時間の運用では生命維持システムが機能不足となり、装着した
者の生命を奪う恐れがある」ことから、研究が凍結されていたものだ。
 そのG4システムがなぜ陸自において完成されたかの経緯は定かではないが、この生命維持システムの機能補助
を、支援機器による負荷の軽減というアプローチで試作されたのが、ガードランサーであった。
 強力な火器による敵目標の撃破と、突入・離脱に適したサンプ
ルとして、警視庁が運用している特殊白バイ、ガードチェイサー
が手本とされたらしい。
 タンクのような重装備車両は、アンノウンとの物理衝突・防御
には有効だが、それではG4自身の優れた機動性や攻撃力を活か
すことができないためだろう。
 もともとGシステムの開発では、国内数社の異種産業が研究交
流を図っており、これが強化服に結実する以前は、もっぱら特殊
車輌に主軸がおかれ、警視庁でもかつては、Gシステムよりも特
殊車輌・チェイサーシリーズの開発ノウハウの方が色濃く残され
ていた。
 チェイサーシリーズは警視庁独自の白バイ計画として、プロト
タイプともいうべき特別救急捜査隊・ウインスペクター用に制作
されたウインチェイサーが存在した。この白バイに搭載されたロ
ケットランチャーや火器管制システムについては、防衛庁も関与
している。
 その後、トライチェイサー、ビートチェイサーといった軽量化
・機動性重視の特殊バイクを経て、2輪としては重装備のガード
チェイサーが実用化されていたことは事実だ。
 こうした技術的経緯や人脈などから、防衛庁が特殊装甲強化服
や、支援機器の開発をしているであろうことは、従前から噂が流
れていたものの、確認された情報はこれまで無かったのである。

 噂だけが一人歩きしていたガードランサーについては、入手できた画像資料が大きなスクープ素材となっている。
 画像は数少ないが、フロントカウル左右に巨大なポッドと異様に長いバレルが確認できる。
 これは、G4がバックパックとしてオプション装備する予定だった超小型ジェネレーターではないかといわれて
いる。防衛庁では、実用化したものの「単独ではG4をもってしても運用に難あり」とされていた荷電粒子ビーム
銃が、現実に搭載されていたようだ。
 アサルトナイフ、ハンドガンGM01改などは、カウリングのスリットに押し込む形でホールドするなど、むき
出しの攻撃力が特徴とみえるが、これこそが正規の予算枠ではない、現場調達で急場しのぎの車輌制作という環境
から、現用車輌をベースにG4専用火器の搭載、それに必要な補強が中心の作業となったと推測できる。
 だが、防衛庁には、ガードランサーはおろか、特殊部隊の公式記録さえも存在しない。
 アンノウン事件の渦中、国会でも幾度か質疑と議論の的となったが、遂にその実体が暴かれることはなかった。
 警視庁も、Gシステムの情報流出に関してはこれを真っ向から否定し、G3−Xの後継機には、G3システムの
改良型といわれるG5システムを正規導入した。
 問題は、ガードランサーとともに写っているガードチェイサーのカット。そして、ガードランサーを見下ろして
いる黒い装甲服を着た何者かの映像である。
 この情報リークが、社会的にどんな波紋を呼び起こすかは、少なからず興味のある話題だ。


 ※もちろん「仮面ライダーアギト・プロジェクトG4」という映像作品の物語に、このようなエピソードが隠れ
ていたかどうかは、今となっては真偽のほどを知るよしもありません。