《アドバンスト・ポインター》

 地球防衛軍所属ウルトラ警備隊は、30年以上にわたって航空戦力にウルトラホークシリーズを運用し続けていますが、1から3号の基本性能には殆ど変化が見られません。カスタムメイドに近い高額な機体のせいか、または半世紀はモデファイを必要としない超高性能な機体なのか、その真偽は不明です。
 しかし、地上戦力であるポインターには、1993年以降、めまぐるしい車体変更が相次いでいます。
 TDF−POシリーズ、ポインターTは、超ロングホイールベース、複数名乗車可能で、車体各部にレーザー銃、ロケットランチャー、光学バリア、ホバークラフトと、パトロール車輌の能力を凌駕する特殊機能を豊富に備えていました。クール星人の姿なき侵略から、ゴース星人の史上最大の侵略まで、あらゆる対侵略作戦に導入されていたポインターTが現役を退いたのは、1993年のことと推定されます(平成版ウルトラセブンに準拠するため、昭和版の年代設定の矛盾は伏せる)。
 当時、ウルトラ警備隊の陣容も刷新が行われ、隊長には初代警備隊からの昇格としてフルハシ・シゲルが着任していました。ある日、太陽系付近で戦闘状態に陥り、エネルギーの欠乏から戦線離脱したウルトラセブンが地球に墜落。地球防衛軍の手でセブンの巨体は秘密裏に保護され、ここにフルハシ隊長が駆けつけ、フルハシにとってはモロボシ・ダンとの再開を果たすことになります。
 このとき、ウルトラ警備隊基地からヘリポートまでの移動手段に使われていたのが、TDF−PO3の車体ナンバーをマーキングした「三菱GTO」であったと言われています。残念ながら、本コーナーにおいてはまだ、このプロップに相当する車輌を発見できておりません。
 その後、突如、このポインターUは、「ホンダNSX」へとスイッチされます。これが確認されているポインターVです。対侵略攻撃装備よりも、高速移動や高機動追跡に重きを置いた2代目、3代目のポインターの出現で、1車種への多機能搭載というコンセプトは廃止されたようです。その代替策なのか、ポインターUの配備中には支援車輌として三菱パジェロ・ロングが、ポインターVの配備時期には、ホンダCR−Vが活動しているようです。 しかし、これらのハイパワースポーツ系ポインターも、1999年までには姿を消し、現時点で最新鋭の車体として、「いすゞビークロス」が登用されています。侵略者の暗躍は都市部に限ったことではなく、GTOやNSXには不利とされる深い山中や、地上攻撃を受けて瓦礫の散在する戦闘エリアにおいては、ビークロスのようなクロスカントリー性能を備えた悪路走破性が再認識されたものと思われます。ただ、このポインターWも現役を退いている可能性があり、リーグの異なる別のウルトラマン(ネオスと呼ばれている)が活躍する世界で、そのリーグの防衛チームが下取りしたとの確認映像もあることから、次にウルトラ警備隊が作戦行動に出てくる際は、「ポインターX」が登場してくるのでしょう。
 4世代に及ぶポインターの性能はまちまちですが、統一されたコンセプトの一つとして、TDFカラーとも言うべき銀と黒のカラーリングに、あのウルトラ警備隊の赤いマークは踏襲されていました。

※ 歴代ポインターのナンバリングは、つくばーど独自のものです。オフィシャルにはパジェロロング、CR−Vも歴代ポインターとしてカウントされているようです。これらはつくばーどにおいては支援車両と見なしています。なお、2003年末時点のウルトラセブンでは、再び三菱パジェロがポインターとして正式採用されています。