《メカ生体融合のテストベッド?》

 ショッカーの科学技術の最たる成果は、人体に他の動植物生体を融合させる改造人間製造であった。この悪魔の技術は、分派していた組織との併合や継承によって、複数生体融合や機械生体融合といった発展を見せているが、そのルーツはゴルゴムやリントの時代に確立されていたものとみられる。
 リントの科学が産み出したゴウラムは、巨大なクワガタムシでありながら、馬の鎧でもあったらしく、生体融合の実現が果たされた事例。しかもゴウラムは現代に蘇ったあと、オートバイとの融合までみせている。
 これは、改造人間技術の源流にあたる実験によって、異種生体同士を組織融合させ、新たな戦闘生物を作り出すための基礎技術だったのだろう。
 ゴルゴムが現代において世紀王を蘇らせる際、世紀王のために製造したバトルホッパーは、古代においては遺伝子操作された巨大なバッタであったようだが、現代の技術との融合として、オートバイとの融合を附加させ、より優れた機械生命体を作り出そうとした意図が見え隠れする。
 生物と機械の融合は、改造人間製造のノウハウと思われていたが、この技術の実用化には、こうした改造生物というテストベッドでのトライアルが繰り返されていたのかもしれない。