《黒い迎撃機》

 1990年代、既に人類は対エイリアンプロジェクトA.R.Mと、その精鋭部隊「ブルースワット」を結成していた。
 「ブルースワット」の本部は、東京の城南地質学研究所敷地内に秘密裏に作られ、沈着冷静な不破主任らの活躍のもと、日夜、謎のエイリアンに敢然と挑戦していた・・・
 ・・・失礼しました。
 1980年代の謎の円盤とは異なり、エイリアンは数年前から地球に入り込んでおり、人間に“インベード”して侵略行為を進め、よりによって政府直属の防衛組織として発足したばかりのブルースワットを、本部もろとも壊滅させてしまった。射撃訓練場でトレーニング中のショウ、サラ、シグの3人だけが難を逃れ、焼け残った僅かな装備を頼りに、探偵事務所にカムフラージュしながらゲリラ戦のようなエイリアン撃退活動を展開することになる。
 「CV02インターセプター」は、もちろん核弾頭ミサイルを搭載した宇宙迎撃機などではなく、対エイリアン用特殊オフロードバイクだ。250ccのガソリンエンジンで、最高速度は205km/hに到達する。特筆すべきは、車体に組みこまれたオートバランサー。この装備によって、通常のトライアルマシンでは走破しきれない地形にも乗り込んでいける。
 リアに火器類を格納するトランクを着脱でき、フロントカウル上部には、重火器に属するマイクログレネードランチャー・プラグローダを取り付けるハードポイントも設置されている。黒い塗装は、壊滅前のブルースワットが、一般社会には告知されない秘密機関であったことから、所有車両に共通して採用されたもの。インターセプターはそのなかでもベーシックな機動兵器となるはずだったが、組織壊滅の際、2台のみが回収された。