《元祖・恐竜戦隊》

  2001年、人類は時間航行技術を確立し、タイムトラベルを実用化に至った。それに伴い、時間をさかのぼって悪事を働く犯罪者や時間密航者も出現した。時間旅行者の安全と、時空治安を維持する必用から「時空管理局」が組織され、各時代におもむく時空管理局員「タイムGメン」が編成された。
 そのなかの1チーム、中生代白亜紀の警備を担当するのが、バンノ隊長率いる「コセイドン隊」である。
 彼等の移動基地でもある大型タイムマシン「コセイドン号」は、メビウスレールと呼ばれる螺旋の光を放射して時空の壁を開き、約7千万年の過去に出動する。

 
  白亜紀(なんとなく便宜的に)に到達したコセイドン隊は、搭載されている前後連結式特殊車両「ハクアス」で現地調査や負傷した恐竜の保護をする傍ら、時空犯罪者や時空侵略者の捜査と追撃・捕獲或いは殲滅を遂行するため、同形式でより戦闘能力の高い「ファイタス」を運用する。
 ファイタス1号(前部)は、キャタピラ駆動の装甲車で、後部に連結したファイタス2号を分離させ、連携作戦をとる。2号はホイールローダー形式の四輪駆動車でありながら、両翼を展開して飛行能力も発揮する。
 しかし、ファイタスの装備として特筆すべき能力は、コセイドン隊員の一人、トキ・ゴウを戦闘員として射出する「ファイタスボンバー」、俗称“人間大砲”である。ファイタス1号コクピットから、ゴウの座席がリクライニングしながら後方へ移動し、その間に強化服が装着される。その後、ゴウはカタパルトにセットされ、1号ノーズ下に格納されている射出装置がノーズと共にスライドしながら延長固定、打ち出される。人間大砲は、緊急事態に迅速の対応を図るためのスクランブルシステムと思われる。


  コセイドン隊が白亜紀で担った最初の任務は、時空を超えた21世紀の日本に攻撃を仕掛けてきた異星人ゴドメスの侵略を阻止することであった。ゴドメスは植物生命体であり、肥沃な白亜紀の地層を根こそぎ略奪しようとしていた。21世紀の日本を直撃したゴドメスの攻撃は、実は調査に赴いたコセイドンに放たれたビームが、タキオン粒子の作用で時空を超えてきたものであった。
 一方、白亜紀の地球にはゴドメスに追われ、テレサ星からアルタシア姫と侍従ロボットビクラウスが逃亡していた。彼女は対ゴドメスの殲滅方法を記録した「コスモ秘帖」(誰だこんな設定とネーミングを考えたのは!)を所持しており、その争奪戦が展開された。秘帖の謎を解き、ゴドメス殲滅の武器を手に入れたコセイドン隊と、タイム戦士となったトキ・ゴウ「コセイダー」はゴドメスの撃退に成功する。


 タイムGメンの任務はその後、密猟者やマッドサイエンティスト、宇宙からの侵略者を相手に白亜紀の地球を防衛したが、ある日巨大な兵器「ノヴァ」が宇宙の彼方からマグマのエネルギーを補給するために襲来する。エネルギーを得たノヴァは太陽に向かって移動を開始し、衝突によって太陽の消滅をを図ろうとする。コセイドン隊はノヴァ消滅作戦を敢行するが、その代償として地球の気候が激変し、恐竜絶滅の引き金となってしまった・・・