《謎に包まれた輝くマシン》

 バッタオーグに支給されたオートバイは、後に仮面ライダー、仮面ライダー第2号を名乗る本郷猛と一文字隼人にも与えられた。
 2台のサイクロンについては、基本性能は同格と思われるが、隼人をオーグメントに改造した緑川一郎は、バッタオーグの性能をカスタム化し強化しているため、隼人のサイクロンにも何らかのパワーアップが施されているかもしれない。
 双方の差異は、ロケットブースターとなる片側3本の排気ノズルのカラーリング程度だ。このノズルは下方向へ角度を変えることができ、バッタオーグ単体でのジャンプ力をはるかに凌駕する高度まで、バッタオーグを上昇させる。猛はこの機能を用い、高空を逃走するコウモリオーグの更に上方からキックを繰り出した。


 サイクロンのフレーム、変形時に出現するカウリング類の材質は、車体の数値的スペック同様明らかにされていない。自立走行が可能なオートバランサーも優れた技術だが、崖から落下しても破損しないばかりか、爆薬によるセーフハウスの爆発に巻き込まれても破壊されない恐るべき強靭さを備えている。
 しかし蝶オーグとの対戦時にエンジンをオーバーロードさせてかの自爆において、車体は粉砕されている。その際車体を中心に対消滅反応のような現象が起きていることから、エンジン自体がガソリン仕様ではなく、タンク上部にある補給口には核物質のマークも刻まれている。
 このサイズに原子力による核分裂反応炉を収めることは、常識として不可能と思われるが、対消滅反応が見受けられるとすると、反応炉はモノポール技術を実用化しているのかもしれない。同技術はモノポール1個に対して魔法瓶サイズの圧力容器と水があれば、サイズ的な理論ではオートバイサイズ反応炉の可能性を切り拓くことができる。
 ただしそれは推論であって、一切が謎のままである。