《Janperson For Justice!》

 社会を混乱させる悪の組織、結社が暗躍するとき、彼等の好む闇の中からやって来る正義の影。事件、事故、人災、天災、様々な魔の手が市民を襲い、危機に見舞われた人々を射す一条の救いの光。
 風のようにあらわれ煙のように去っていく謎の特捜ロボ。メタリックパープルのボディは、しかし、かつては人類を駆逐し、地球をロボットが占領するために作られた人造人間型攻撃兵器だった。



 彼の名はジャンパーソン。国家機関の特務捜査員なのか、民間企業のエージェントなのか、社会に対する公式発表はなにもない。現場の捜査員も一般市民も、彼については何も知らない。彼は常に、単独で行動する。殺戮兵器として生を受けた宿命を背負い、その十字架に対して誓った言葉が、
「Janperson For Justice!」
 彼を事件現場に運ぶ、彼の分身とも言うべき捜査車輌・ダークジェイカーもまた、攻撃兵器の素性を持つが、警察機構の手に負えない凶悪犯罪組織を殲滅させるために、その力が行使される。
 前方に大きく張り出したコクピットブロックは、遠隔操作も可能な飛行ポッド・スカイジェイカーとして分離し、ジャンパーソンを空から支援するか、或いは彼のパイロットで敵を追撃・攻撃する。
 このとき、地上に残った車両本体は、格納されていたビッグキャノンを展開し、自走砲台・ランドジェイカーとして稼働できる。
 ダークジェイカー単体では、最高速度700km/hの移動が可能だが、長距離・高速移動と補給・簡易メンテナンスの必要性から、後に空輸装備・ジェイガリバーが、ジェイカーシステムに加わる。
 ジェイガリバーは、ダークジェイカーを腹部に搭載するほか、スカイジェイカーとのコンバート機能であるマリンジェイカー、ドリルジェイカーを機体後方につり下げており、移動基地として陣を構え、作戦用途に応じて3種類のジェイカーポッドを換装する役目を担う。全てのジェイカーマシンが搭載された状態は、グランドジェイカーと呼称される。
 グランドジェイカーの完成により、ジャンパーソンは、ほぼあらゆる地形、現場への突入が可能となった。

 



 グランドジェイカーの空輸搬送システムは、意外にもアースアカデミアによって評価され、その機能の一部が、ネオビートマシンの開発に引き継がれたようである。
 実際の登場は、ジャンパーソンが接触したアースアカデミアではなく、同機関がコスモアカデミアへと拡張されてからになるが、これはマシン開発期間によるタイムラグだろう。
 第2世代のビーファイターが運用したステルスジャイロに、カブトロンとクワガタンクを連結・搬送させるシステムとして応用されている。ネオビートマシンは、それ自体が単独でも活動できるものだが、長距離の高速移動にはハンディがあった。これを解決する方策として、ジェイカーシステムが用いられたものと思われる。