ここで言うジープとは、ウイリスジープや三菱ジープといった商標のことではなく、一般的なAFVの中の4輪駆動車を平たくジープ、と呼ぶのと同じである。VV54−AR型。これが無限キャリバーの正式な車両型式だ。
何処をどう切っても、20世紀の米軍や日本の陸上自衛隊が使用していた“あの”ジープとは似ても似つかない。当然、ホイルベースもトレッドも、ジープと言うよりハマー以上のディメンションとなっている。おまけに、見るからに悪路走破性が高いと言いきれない。
それもそのはずで、無限キャリバーは4輪駆動車として強行偵察、強襲攻撃、制圧を任務とするが、4輪駆動でさえ走破しきれない不整地においてもゲリラ戦を繰り広げるために、2足歩行タイプに可変するのである。フロント部分は、実は背部と胸部装甲に転じ、サイドパネルブロックが脚部となる。重火器を取り扱うマニピュレータ・アームは車体下部に、頭部センサーブロックは車体前部に格納されている。
タルカス、ガゼットも必要(?)に応じて限りなくヒト型に近い形態に変形するが、その意味性は、超局地戦仕様のキャリバーに比べると非情に怪しい。いや、キャリバーも怪しいと言えば怪しい。
無限キャリバーは、ドルバック隊に専用配属されたカスタム機で、ドライバーの力量に合わせたチューンが施されているものと思われる。固定オプションはフロント部分の大型ウインチと、リアパネル上部に装備する速射機関砲などがある。2足歩行時は右肩にキャノンを設営するための増加装甲、降下・飛翔用のバックパック(ジャンプユニット)を取り付けられる。このバックパックはビークル時にも設置可能となっている。
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