《特装騎兵のバリアブルビークル》

 1999年、宇宙からイデリア文明が襲来、地球侵攻を開始した。
 イデリアと地球の種の起源は同じものであった。地球に残されたイデリア大陸を復活させ、そこに隠された力を手に入れる事がイデリアの真のねらいであった。
 地球側はこの奇襲に対し、抵抗を続ける中、特殊チーム・ドルバック隊にバリアブルマシンを配備。戦闘ジープ型の無限キャリバー(ムゲン・ランドキャリバー)、重戦車ボナパルト・タルカス、対地攻撃ヘリオベロン・ガゼットを主力として局地戦を展開する。

 ここで言うジープとは、ウイリスジープや三菱ジープといった商標のことではなく、一般的なAFVの中の4輪駆動車を平たくジープ、と呼ぶのと同じである。VV54−AR型。これが無限キャリバーの正式な車両型式だ。
 何処をどう切っても、20世紀の米軍や日本の陸上自衛隊が使用していた“あの”ジープとは似ても似つかない。当然、ホイルベースもトレッドも、ジープと言うよりハマー以上のディメンションとなっている。おまけに、見るからに悪路走破性が高いと言いきれない。
 それもそのはずで、無限キャリバーは4輪駆動車として強行偵察、強襲攻撃、制圧を任務とするが、4輪駆動でさえ走破しきれない不整地においてもゲリラ戦を繰り広げるために、2足歩行タイプに可変するのである。フロント部分は、実は背部と胸部装甲に転じ、サイドパネルブロックが脚部となる。重火器を取り扱うマニピュレータ・アームは車体下部に、頭部センサーブロックは車体前部に格納されている。
 タルカス、ガゼットも必要(?)に応じて限りなくヒト型に近い形態に変形するが、その意味性は、超局地戦仕様のキャリバーに比べると非情に怪しい。いや、キャリバーも怪しいと言えば怪しい。
 無限キャリバーは、ドルバック隊に専用配属されたカスタム機で、ドライバーの力量に合わせたチューンが施されているものと思われる。固定オプションはフロント部分の大型ウインチと、リアパネル上部に装備する速射機関砲などがある。2足歩行時は右肩にキャノンを設営するための増加装甲、降下・飛翔用のバックパック(ジャンプユニット)を取り付けられる。このバックパックはビークル時にも設置可能となっている。

 

 これらのバリアブルマシンは、各種、量産型が追加配備され、戦局を覆していく。
 量産機キャリバーはバリアブルビークルとしては無限仕様と共通だが、頭部センサーユニットの形状と機体色が異なる。主武装はバズーカランチャーとされ、ライフルの携行も可能だ。
 また、その可変車体の優秀性を認められ、後にAIを搭載され、ロードバスターと呼称を変えて、トランスフォーマーの攻撃指揮官として活躍した記録もある。