《SPD H-03ハスキー》

 スーパースポーツモデルに匹敵する運動性能と、ツアラーとしての快適性を兼ね備えるカワサキモータースジャパンの設計思想により、1990年に登場したZZR1100は、スポーツツアラーのコンセプトを完成の域に到達したオートバイであった。このコンセプトをミドルクラスモデルとして実現させたZZR400は、やはり90年に初代が登場し、市場の中核を担っている。
 アルミツインチューブがエンジンシを取り囲むようにとり回されたクロスパイプフレーム「アルクロス」を採用し、エンジン前部はラバーマウントさせながらも、軽量さと高剛性を両立させ、走行安定性と運動性能の向上が図られた。プロテクション性能の高さを誇るフルカウルボディを持ち、セパレートハンドルによる軽めの前傾姿勢、大型シートなどで、長距離高速走行におけるライダーの疲労を軽減する。
 前後17インチのラジアルタイヤとサスペンション、大容量のブレーキシステムを搭載し、幅広い用途に対応している。

 この基本性能の高さと広い汎用性が宇宙警察機構からも評価され、地球署における通常装備として正規採用に至り、2004年モデルがベースマシンとして導入された。マシンハスキーと命名、デカブルー・ホージーの専用担当として活用されている。
 サイドカウルにはパトライト用の台座を追加しており、排熱スリットをオミットした分、台座側に新たにインテークを開口させ、熱対策を施している。リアカウルには各種小型装備や書類などを収納するためのトランクを3点追加し、後続車に対する視認用としてパトライトを設けてある。
 たまたまデカブルーの専用マシンとなっているハスキーだが、原車にもキャンディサンダーブルーというメタリック仕様の美しいカラーモデルが存在し、人気色であるという。