《白い閃光の“特キョウ”マシン》

 “特キョウ”とは、宇宙犯罪者・アリエナイザーの中でも特に凶悪な特別指定者を専門に扱う「宇宙警察本部特別指定凶悪犯罪対策捜査官」を略したものである。デカブレイクこと姶良鉄幹は、幼い頃、アリエナイザー犯罪により両親を亡くし、宇宙警察本部に引き取られ、若くして特キョウのライセンスを取得した。特キョウ秘伝・正拳アクセルブローをはじめとするアクセル拳法を身につけており、彼はディーアームズを携行しない。
 専用デカビークルは、最高時速330kmの1輪バイク「ボクサー」。ジャイロバランサーを内蔵したメインホイールは、高機動性と優れた旋回性能を有し、過密な都市環境でも追跡に有利。リアの補助ホイールを応用することで、急傾斜地の登坂も可能だ。可動式マフラーでジャンプできると公式文献にあるが、どれがマフラーでどういう仕組みなのかは不明。

 一見、他の宇宙文明によるデカビークルなのかと思わせる独創的なマシンだが、ボクサーは地球文明が宇宙警察に技術提供したのではないかという憶測がある。
 エンブリオ。と名付けられた1輪モトが、カナダのボンバルディエ社の系列である、同レクレーショナル・プロダクツ社で商品化されつつある。ボンバルディエ社は、20世紀にスノーモビルや水上バイクなど、それまで未開であったビークルステージを切り開いたことで有名だ。
 エンブリオは、都市型ビークルの新しい提案として、電気か水素の燃料電池を動力源とし、ジャイロスコープを用いた直立バランサーを組み込んだ1輪マシンなのだ。駐輪状態では、フロント側の補助輪を伸ばして安定させる。
 マシンボクサーは、前後のホイール(1輪と言っておいてこの言い方は変だが)の関係がまったく逆にデザインされているが、コンセプトは非常によく似ている。
 1人用の乗り物は、それが使用されるステージによって、自動車や徒歩よりも優れた移動手段になる。それなら自転車や従来のオートバイでいいよ。と、しないところがこの手のメーカーの企画提案ということなのだ。商品化のための実用性やインフラの必要性が不明だけに、独自の運用とメンテナンスが可能な宇宙警察に対して、同社がプロトタイプを提供し、データをフィードバックしているとは考えられないだろうか?宇宙警察との仲介は、日本のB社が行っていると思われる。このB社によってマシンデザインなどが変更され、“特キョウ仕様”となっているのかもしれない。


※ ボンバルディエ・レクレーショナル・プロダクツ社のエンブリオは実在の1輪モトですが、それ以外のお話はつくばーどの想像です。