《用途別仕様変更の事例》
 宇宙警察・地球署に配備されたSPD・特捜戦隊デカレンジャーのデカマシン一号車、パトストライカーは、他のデカマシンとのコンビネーションによって、巨大ロボット・デカレンジャーロボの頭部と胴体を構成する。しかし単機においては、高速追跡戦闘能力を与えられた6輪の超大型パトロールカーとして運用されてきた。
 宇宙警察機構の官給品であり、量産製品でもあるパトストライカーには、用途に応じて仕様変更可能なモジュール構造が採用されている。
 特捜戦隊仕様の同車は、左右リアフェンダー内部に各一基のマニピュレータ・ハンドを内蔵している。これは他のデカマシンとのドッキングシステムとして使われるものだが、ミッションによっては障害物の撤去や救助活動ツールとして応用できるほか、あまり現実的ではないが一撃程度なら殴り合いのひとつもできるかもしれない。
 一方、地球における彼らの活躍から7年後に現れた海賊戦隊によって召喚され、特捜戦隊もこれに応じて提供した「ゴーカイ・バージョン」では、このマニピュレータは存在せず、フロントフェンダー左右先端に大口径の速射砲が装備され、また、各タイヤ側面にもガトリング砲を内蔵した、火力強化型となっている。
 これは、パトストライカー自体が海賊戦隊の巨大ロボ・ゴーカイオーの増加装甲となるためで、フェンダー部分はそのまま二丁のハンドガンとして使用されるためだ。特捜戦隊仕様では、もともとデカレンジャーロボ用のハンドガンが他のデカマシン内に装備されおり、車体はあくまでロボ本体の構成にとどまることができた。
 このゴーカイ・バージョンにおいて、車体のモジュール構造が明らかにされたわけだが、その設計は極めてシンプルであり、換装パーツの幅広さを想像できるほか、パトストライカー自体の高い汎用性がうかがい知れる。