《地獄からの使者を乗せて》
 太陽系から遠く離れた銀河、M77星雲・第17星列に存在したスパイダー星は、鉄十字軍団の侵略によって滅ぼされた。鉄十字軍団は宇宙の星々を死滅させながら、遂に地球に到達する。
 これを追跡し、復讐のために戦いを挑んだスパイダー星人の生き残りであるガリアは、敵の返り討ちに遭い洞窟に幽閉されてしまう。ガリアは20年間の時を耐え続けるが、地球上では400年もの歳月が流れる。
 彼は自分と同じ精神感応を持つ地球人を、自らの同胞と定め、長きにわたって地上に呼びかけてきた。20世紀末、遂に1人の青年、山城拓也がそのテレパシーをキャッチし、ガリアのもとに現れるが、拓也もまた鉄十字軍団の手にかかり、瀕死の重傷を負っていた。ガリアはスパイダーエキスを拓也に注入し、超人として蘇らせ、戦闘装備を委ねる。蜘蛛の能力を持ち、プロテクトスーツに身を包んだ拓也は、スパイダーマンとなって鉄十字軍団との戦いに身を投じる。

 ガリアが拓也に委ねた戦闘装備のうち、最強の戦力として鉄十字軍団が最も恐れたものが、宇宙戦闘艦・マーベラーであった。全長48mのこの艦は、鉄十字の戦闘兵器・マシンベムを殲滅できる火力を有し、さらに全高60mの戦闘ロボット・レオパルドンに変形すれば、攻撃武器のバリエーションも拡張される。スパイダーマンは、小型戦闘車両、スパイダーマシンGP−7に乗り込み、マーベラーの艦橋後部からドッキング乗艦して操縦系を切り替える。
 スパイダーマシGP−7は、空陸両用の運用面から、フロント側にメインエンジン、リア側にロケットエンジンと補助ブースターエンジンを搭載し、フロントカウル内に2問の機関砲とミサイルランチャーを装備。ノーズ両サイドの牙状ガード内には索敵レーダーを内蔵する。
 スパイダー星のテクノロジーによって作りだされたマシンは、その装備面もさることながら、4.1mの車体にこれだけの機能・機材を組み込み、重量がわずか850kgに留まっていることが驚異的だ。しかしスパイダー星で作られていながら、車体に地球のアルファベットが書き込まれ、タイヤにはファイヤーストーンが用いられている。これが謎なのだが、或いは映像として確認されている時系列が混乱しており、拓也があとからメンテナンスし、地球製のものに交換したのかもしれない。