《走れ栄光のマシン》


 勝利のために手段を選ばない極悪チーム・魔王エイハブのブラックシャドウによって、国際レース界(決してFIAじゃないのよ)は荒廃していた。西音寺レーシングチームは、キャバリーエンジンを開発し、隼剣をドライバーに擁して世界制覇の野望をいだくブラック・シャドウに挑む。
 あの「ワイルド7」の望月三起也とダイナミック企画による、レースマシンの物語。望月氏執筆の原作コミックも存在するが、なんといっても「マシンハヤブサ」の真骨頂は、論理の荒技で登場してくる荒唐無稽なキャバリーエンジンのバリエーションだろう。

 最もスタンダードなV1エンジン(V型単気筒ではない。単気筒でVはあり得ない)で、なんと最高速度1000km/hをたたき出す。V2エンジンには防塵フィルターが装備され、ブーストポッドが並行2連となり、砂漠などのラフロード仕様となる。
 そう、Vエンジンとは、どう見てもジェットエンジンで、そのブーストポッドの増加によってバリエーションが展開されているような気がする。
 V1に対してV3エンジンとなると、3連ポッドとなる。このエンジンは超高回転によってパワーを絞り出した分、奪われてしまうトルクを補うもので、急傾斜の高速登坂能力に長けている。
 しかしここに登場しているV1とV3エンジンなどはまだまだである。V4エンジンはポッドが左右に縦2連取り付けられ、コーナリング時に片側2連が逆噴射ブーストをかけ、強制的にコーナリングさせるというとんでもない仕様。最終形態のV5に至っては、さらにポッドをひとつ追加してV4までの全ての特性を引き出せるというのだから、もはや強さのインフレ状態である。