《常用ハリケーンも作る》

 常用サイクロン、常用ニューサイクロンを作ったら、やっぱり風見志郎の常用ハリケーンも作ってみたい。
 そんなのできるのか? というわけで、ハンデは大きい。まず風見志郎の常用バイクが何だったか覚えていない。
 一つ解っているのは、本郷猛、一文字隼人が中型自動二輪であったのに対して、風見志郎は大型自動二輪であるということだ。風見志郎役の宮内洋氏のコメントによれば、バイクにまたがって変身するというシーンのために、直進安定性の良い大型バイクを起用している。変身の際に両手をハンドルから離すため、ギアを一時的にニュートラルに入れて惰性で走ったという。
 ということは、今まで常用型を作成してきたキャラウィールの「ショッカー戦闘員用バイク」は、ベースにできないのである。
 常用型ハリケーンのベースになりうるキャラウィールは、一つしかない。アルティメットエディションとしてリリースされた、「秘密戦隊ゴレンジャー」のゴレンジャーマシーンだけが、大型バイクの形状で設計されている。
 それならアカレンジャーのバイクが一番良いかと思われるが、そう簡単ではない。フロント側は良いのだが、テールカウルにブースターやらサイドポッドやらが成形されている。ブースターは引き抜けばはずせるものの、サイドポッドは一体成形なので、加工が面倒になるのだ。
 そこで、サイドポッドのない、アオレンジャーかミドレンジャーの、残る2台のマシンを流用する。ハリケーンとブルーマシーンの実物に乗っていたのが、どちらも宮内氏という縁から、アオレンジャーのブルーマシーンを分解することにした。
 キャラウィールのオートバイは、一部の商品を除いてほぼ、サイドカバー部分に打ち込まれているピンを引き抜き、タンク・シートのパーツをはずし、露出したフレームを固定しているビスを緩めて分解できる。今回の作例を分解する理由は、サイドカーを分離させるためである。事前にサイドカー側のボディをはずしておかないと、マシン本体に取り付けてあるボートのフレームを取り外せないので注意が必要。
 また、サイドカーマシンには、バイク本体を自立させるスタンドがついていない。このため、ストックのキャラウィールを一つ犠牲にして、スタンドを持ってきて、これを組み込みながらマシン本体のフレームを組み直す。犠牲にしたキャラウィールはハカイダー4人衆の幹部用(ショッカー戦闘員用と同じ)。ここからステアリングを移植しても良いが、形状が合わないようなので、メーターだけを切り取り、接着して流用。ヘッドライトはMSモノアイセンサー用のレンズを使っている。
 タンクとサイドカバー、テールカウルの塗装を行う。常用型ハリケーンも、劇中で何種類か存在するため、とりあえず初期のスチルを参考にして、基本ラインだけ似たような線を塗り分けた。バージョンによってはサイドガードの付いている常用型もあるが、今回は見なかったことにしている。
 本郷・一文字用常用型ニューサイクロンと並べてみる。常用型ハリケーンが大型バイクであるという雰囲気がわかるだろうか。わかんない? それは仕方がないのだ。作例の思いつきは良いのだけれど、造形の方は、改造技術がへたくそなんだもの。


※おことわり。
常用型ハリケーンの作成のためには、「ゴレンジャーマシーン」のなかの1台をつぶすことになります。
つぶしたあと、残る3台のマシン・タンクがだぶつく覚悟もしなくてはなりません。その経費的な無駄については、例によってつくばーどはいっさい関知しません。