《夜の都会のハイウェイ 貫く銀の光の矢》

  「太陽系の惑星群」をテーマとした卒業論文を書く為に、地球へやって来たアイビー星人の大学生・ニック(地球滞在時の氏名は高瀬健)は、地球文明の調査中、子供をいじめる犯罪組織・テンタクルと遭遇する。テンタクルを率いるプロフェッサーKは、子供を見るとクシャミが止まらなくなるほどの子供アレルギーで、その世界最高の頭脳と科学力と巨万の富を駆使し、アンドロイド兵士を送り込み、悪人を雇って子供をいじめ続けていた。
 ニックは、アイビー星では日用品と思われるプロテクトスーツを身にまとい、テンタクルの世界征服・・・ではなく、子供いじめに敢然と立ち向かうのである。その姿こそ、人呼んで星雲仮面マシンマン。アンドロイド兵士はマシンサンダーで撃破し、悪人には必殺のカタルシスウェーブで改心させる。
 マシンマンは敵といえども憎んだり殺傷したりはしない。地球の平和を守るという使命を帯びているわけでもない。たまたま立ち寄った星の、とある女性カメラマンに一目惚れしてしまったのが、地球にとどまるきっかけだ。しかしニックは自らの立場を明かすわけにはいかない。
 やっぱりヒーローは孤独だ。



 やあ、僕、高瀬健は、本当はニックという名前のプレアデス星団所属、アイビー星の大学生なんだ。
 地球ではスズキGSX750カタナに乗って、いろいろな文化を調べているんだ。
 普段はスペースコロニーという基地で研究をしたり、寝起きをしたりしているんだよ。このスペースコロニーは、宇宙居住のための巨大建造物のことではなくて、アイビー星の特殊な金属でできた宇宙船なんだ。全長は200m、光の速さの10万倍のスピードが出せるんだけれど、今は、ある湖の底にあるんだよ。
 僕が地球に滞在しているのは、カメラマンの葉山真紀さんをテンタクルから護るためだ。テンタクルが現れたら、僕はワープスロットルを使って、基地からマシンドルフィンを呼び出して、ドルフィンの内部でイクシードコンバートする。強化スーツはアイビー星の外宇宙滞在・護身日用品なんだけれど、地球ではとても役に立つ機能が備わっている。
 マシンドルフィンは、僕が地球のどこにいても、マシン空間ハイウェイで転送される。僕専用に設計されていて、全長2m50cm、重さは500kg、時速400kmの速度で走れるんだ。ボディ後部のウイングを展開すれば、ドルフィンジェットに変形できて、マッハ3.4で飛ぶこともできるんだ。さらに直立させて、ドルフィンロボというパワーローダーとしても使用可能な万能メカさ。
 だけどこのことは、お便りコーナーだけの秘密だよ。
 わかったかな? 千葉県のかいとくん。

※今回、マシンドルフィンは、友人のトヨ@イエローライフさん所蔵のコレクションをお借りしました。プルバック走行で自走し、障害物などにノーズが衝突すると、機種が前方にスライドし、主翼が展開して、ドルフィンジェットに変形するギミックを搭載しています。