《マッハロッド》
 
 索敵レーダー、エネルギーバロメーターなどの機能を持つ多目的カプセル、ポップの膨張・変形した形態。超人バロム・1が使用する万能マシン、マッハロッドと呼ばれる。万能であることは、15cm程度の青赤2色のカプセルが、ここまで形態変化を引き起こすだけでも充分に証明される。水陸両用なばかりでなく、飛行能力も有する。
 一見V8エンジンのように見えるカムカバーむき出しのエンジンブロックは、ダミーであるという。なんと、このカムカバーの下にはロータリーエンジンが隠されており、リア側にはジェットエンジンを搭載するという、恐るべき異種ツインエンジンシステムを、マッハロッドは採用しているのである。車体後部の巨大なファンは、推進補助と逆回転による強制エアブレーキの役目を果たす。
 最高速度は400km/hと、スーパーマシンとしては平凡だが、車体下部に取り付けられた10基のホバーユニットによって120mもの垂直上昇を可能としている。

 ところで、マッハロッドは友情のエネルギーで動くマシンだ。バロム・1自体が、2人の少年の友情のエネルギーによって誕生し、バロム・1が活動することでポップを変形させる。
 それは良いのだが、ロータリーとジェットという内燃機関の仕組みは一体どうなっているのか? これは永遠の謎だ。
 宇宙の正義の具現化であるコプーが、マッハロッドも含むバロム・1を生み出していることから、人類の叡智では成し得ない超テクノロジーの結晶としか表現できない。
 しかしコプーの正義感はどこかちぐはぐで、こんな車体構成で公道を走らせようというのは無茶な気もする。が、しっかりと練馬ナンバーがついていたという律儀さもある。

                        《マッハロッド後期型》

 マッハロッドの前期型は、一見V8と思わせるダミーなカムカバー前部に前照灯を取り付ける場合もあった。もちろん誰が、どこでメンテナンスをしているとかいう次元の話ではない。ポップが変化する際に、状況に合わせてなのか、そのときの友情エネルギーのバロメーターによってかは不明だが、その変化は、フロントノーズを逆スラントにしてしまい、ランプユニットをノーズインテーク内部にビルトインさせるというマイナーチェンジも行われた。
 このノーズ形状の違いは、一説によると高速ロングクルージングへの対応とも言われている。


 ここで登場させた後期型は、キャラウィールをつくばーど解釈で板金したもの。おおむねこんな雰囲気というところだけ手を加えたため、後期型に見られる後部ファンの小型化などは施していない。また、フロントのBマークについては、参考にしたプロップ写真にも描かれていなかったことから、復元していない。