《機動メカ分署の骨董品?》


 マグナポリス38機動メカ分署の備品。というよりも、署長である権藤警部が若かりし頃、最前線捜査か、あるいは交通機動隊員であった時期から愛用されていたと思われる白バイ・マグナチョッパー。
 V型4気筒1200ccのガソリンエンジン、チョッパーハンドルと、いささかはみ出し仕様。巡航150〜最高180km/hの速度を誇る。
 白バイ用装備を架装したディメンションは、全長2829mm、全幅845mm、全高1437mm。総重量は320kgとなっている。
 個人の交通手段にエアカーが主流となっている2050年のネオ・トキオ・シティーにおいて、ガソリンエンジンとラバーホイールという組み合わせのオートバイが現役で存在することは、機動メカ分署の中でも異色であり、最も古参の装備ではないかと推測される。それ故、機動刑事・浦島リュウは愛着を示した。
 彼はエアカーになじまず、1983年の過去からタイムスリップしてきたときに所有していたフォルクスワーゲン・ビートルを改造してまで、タイヤで地面を蹴る乗り物に拘っていたくらいである。前世紀を引きずる機械の塊だが、権藤警部、浦島刑事とも、その質実剛健さに同じ魅力を感じていたようである。