《帰ってきたMAT》
21世紀初頭、国連常任理事国での決議がなされ、世界各地で頻発している異常気象、地殻変動、環境汚染の影響を受けた「巨大生物」への専門対策機関が、再び設置されることとなった。
過去の専門組織の実例の中から、最もランニングコストが低く、少数精鋭ながら機動力を効果的に発揮していた『怪獣攻撃隊・MAT』の運用マニュアルが採用され、これを下地に定款と活動規範をアレンジし、新たな『MAT』の編成が開始された。
その中枢部は国連ビル内に置かれ、世界各国に次々とディビジョンが配備された。日本においては、国会与党の強行採決という世論を敵に回しかねない法案決議が生じたものの、既に数度の“怪獣災害”を経験していた国民感情が、これを許した。
なにより、30年ほど前に、怪獣や宇宙人からの国土防衛を担ったあの赤い流星マークには、少なからず民衆の信頼が宿っていたようである。
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