アーマーサイクル・モスピーダは「軍事作戦用兵士防御式緊急時飛行体系降下車両」の略称から名付けられた。Military Operation Soldier
Protect Emergency Aviation Dive Autoと表記する。この武装は第1次降下作戦時から投入されていた個人兵装だ。可変戦闘機レギオスのパイロットスーツを兼ねるライディングスーツに装着する簡易装甲服として、レギオス機体内に格納してあり、パイロットが歩兵に転じた際、機動力を補うために、モーターサイクル形態として機能し、同時にその車体がライドアーマーに変形して兵士の装甲に活用される。
VR−052式は、第2次降下作戦に投入されたアーマーサイクルで、指揮官用のF型と、一般兵士用のT型とに大別される。F型はフロントホイール部の装甲(装甲服時には両腕の装甲となる)に、左右合計4発のロケットランチャーを装備する。破壊力はインビットの機動兵器にダメージを与えられるものの、装弾数の少なさがウイークポイント。T型にはこの装備はなく、40mmビーム機銃が取り付けられている。F型を使用していたマーズベースの降下隊員スティック・バーナードは、カウルに60mmビームキャノンを追加装備していた。
全長2050mm、乾燥重量132kg。最大巡航速度220km/h、最大航続距離約380km。最大出力98hp/16000rpmが052式のスペック。動力は内燃機関を採用しており、HBTと呼ばれる燃料をカートリッジによって補給する。この時代の地球人類は、機動兵器に関してはほぼ共通の動力システムを用いており、レギオスや支援機のトレッドにもHBT燃料が必要とされている。
モスピーダはこの種の歩兵用装備の共通規格名なのだが、一般的にその呼称を車体にそのまま与えられているのは、052式の特徴でもある。052式以外には、女性兵士専用の軽量化タイプであるVR−038L「バートレー」、ミサイルポッドや高周波ブレードを装備した重攻撃型のVR−041H「ブロウスーペリア」など、固有名を持つタイプが存在する。また、第3次降下作戦時には、ステルス性能を附加された「ダークモスピーダ」も投入された。これは、二度の作戦の失敗の要因が、インビットがHBTに反応し、人類側を索敵・攻撃してくる特性への対応策として、HBT反応の出ない武装を施したものだ。
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