《瑠璃色のアタッカー》
		加賀美 新（かがみ あらた）は、仮面ライダーザビーの二人目の資格者として認められた。しかし彼は、その能力をもって仮面ライダーカブトの抹殺を命じられ、カブトこと天道総司との間に生まれていた信頼関係と板挟みにされた。ＺＥＣＴの任務は全うしようとする加々美だったが、この命令に従うことを潔しとせず、ザビーの資格を返上する。 　一本気で心優しい熱血漢。それが加々美の人物像。なかなか実力を発揮できない三枚目に思えたが、自分自身を認めてもらえるように奮闘する気概と、絶望を乗り越えられる意志の強さが、新型のゼクター・ガタックに評価され、カブトの能力にも匹敵する仮面ライダーガタックとして復帰した。 　 ガタック専用に開発された戦闘バイク・ガタックエクステンダーはスーパーモタードタイプのフォルムを纏い、オフロード仕様の車体にオンロードタイヤを装備している。 　カブトエクステンダーと同様に、ガソリンエンジンとマイクロ波放電イオンエンジンのハイブリッドモーターサイクル。ガソリン燃焼による通常走行時でも、最高速度は４１０ｋｍ／ｈに達する。 　最大の特徴は、やはりエクスモードへのキャストオフ能力だが、装甲をはじき飛ばして突撃フォルムとなるカブトエクステンダーとは異なり、マイクロ波放電イオンエンジンを軸に車体がまっぷたつに割れて展開し、クワガタムシ形態のホバーボートに変形することである。 　エクスモード発動時には、バイク形態におけるフロントフェンダーが前方に伸びてエクスホーンとなり、フロントホイールカバーがヘッドパーツとなる。ユニークな部分は、フロントフォークが左右一対の設計に見えるが、変形機構の関係からフェンダー上部部分で一本に集約された、ある意味“片持ちサス”として構成されていることだ。 　ガタックエクステンダーと仮面ライダーガタックには、ある記号が埋め込まれているように思える。それはクワガタムシをモチーフとした能力と形態。そして鮮やかなブルーのカラーリングである。 　この記号の延長上にあるのは、警視庁、未確認生命体４号と、その随伴者と言われた未確認生物ゴウラム。さらに警視庁によって開発された強化装甲服・Ｇ３システムだ。 　実はＺＥＣＴのトップクラスの幹部には、警視総監が在籍しており、昆虫型強化装甲技術や特殊バイクの技術的ノウハウに通じている節がある。ホバーボートへの変形ギミックは、警視庁の未確認生命体対策班が遭遇した“アギト”のマシントルネイダーが有していたオルタフォースによる変形を、機械的に再現したものかもしれない。 　ただしそれらの推論には何一つ根拠はなく、ＺＥＣＴの存在総てが開示されない限り、証明できるものではない。 ※ガタックのカットはゴンザレスＺさんから借用しました。