《ニュー・サイクロン》

 初代フルカウル、ビキニカウルの改造型を経て、サイクロンが到達した最終的なフォルム。
 サイクロンのアイデンティティであった6本の排気管(ロケットブースター説もあり)を廃し、リア回りの軽量化が進んでいます。
 代わって登場したのが、改良型に習ってボディ側と分離したフロントカウルの新しいデザインによる空力の向上。カウルに収納されている補助翼と、車体後部に格納されているドラッグシュート。初代の時速400kmという最高速度は、時速500kmにモデファイされています。
 補助翼はサイクロンジャンプの滞空時間を引き延ばすほか、鋭利なエッジ効果によって、軟質の物体であれば切り裂くサイクロンカッターとしても活用。また、補助翼の角度微調整による強力なダウンフォースと、特殊タイヤのグリップ、サイクロン自体のトルクによって、ビルの壁面を駆け抜けるサイクロン・ライトアングルというアクロバット走行も可能です。
 通常時はビキニカウルをハンドル前部に装備したオートバイに擬装され、ライダーの変身に伴い戦闘形態に変形します。
 これらの装備は、後にV3が使用するハリケーンにも継承されます。


 ニューサイクロンは、それまでの旧型、改良型のデータをもとに、本郷猛、立花藤兵衛、滝和也の手で設計・開発が進みました。
 ショッカーの壊滅を目的としたマシン。それは事実ですが、立花レーシングクラブの真意は、常にモトクロスGPを制覇するマシンを作り上げることにありました。歴代のサイクロンに共通してマーキングされている立花レーシングクラブのエンブレムは、その二つの夢への誓いだと言えるでしょう。
 後に一文字隼人も改良型からニューサイクロンに乗り換えます。ニューサイクロンはカウルのマーキングが小変更され、ヘッドライト前部のスリットがブルーに塗装され、後期型となりました。
 一時期、本郷猛は何故か改良型に戻って他の仮面ライダーの支援に駆けつけていましたが、マンハッタンにおいてコウモリ人間と戦った際には、再びニューサイクロンに乗ってその勇姿を現しました。

※新型は公式には新サイクロンと呼称されていますが、つくばーどではニューサイクロン(記憶は定かでないが、すがやみつる氏のコミックでそう呼んでいた)として取り扱っています。