《その名はテクノポリス》

 西暦2001年。科学の粋を結集して整備された理想の街と言われたセンチネルシティは、その実、世界に名だたる犯罪都市として荒廃を極めていた。
 センチネルシティでは、それまでの警察機構の捜査方法や装備では対処しきれないほどの組織的な犯罪と、科学兵器の悪用が横行し、犯罪撲滅のためにもそれらを凌駕する警察組織の新機軸が必要とされた。
 その先鋒として編成されたのが、特捜マシン隊。テクノポリスである。壬生京介をはじめとする、「ちょっとやそっとでは死なないであろう」という選択基準で選抜された3人の特捜刑事は、捜査・追跡・救助専門機能を搭載した3体のテクロイドを与えられ、このテクロイドに捜査ノウハウを実戦でインプットしながら、犯罪検挙に駆り出された。
 彼等が犯罪現場に急行し、テクロイドを搬送するシステムのひとつが、九星工業によって開発された特殊パトロールカー、ロードレンジャー。
 前席ドライバーズシートをセンターに、助手席2座を後方に配置し、そのキャビンブロックに連結したカーゴユニット内に、捜査・格闘型テクロイド・ブレイダーと、捜査・分析型テクロイド・スキャニーを搭載。レスキュー・重機型テクロイド・ビゴラスを牽引するキャリアを最後部に格納している。
 動力はジェットヘリ用ガスタービンエンジン。全長7300mm、全幅3408mm、全高1752mmものビッグサイズだが、最高速度は320km/hを誇る。主要装備は小型ロケットランチャー、各種小火器、大型投光器、追尾装置、大型拡声器など。キャビンユニットとカーゴユニットはスライド分離し、ステップによる連結状態をとることが可能。このステップ部分には、起動時のブレーダー、スキャニーを載せることになる。
 ある日、捕獲した盗難車両(こともあろうに国防省の新型戦略タンク・テムジン)を調査中、テムジンの人工知能が起動しプログラムされた自衛行動によって暴走が始まる。内部には京介の同僚の吹雪エレナが閉じこめられたままだ。テムジンは鉄鋼弾を撃ち尽くすと戦術核を自爆させる。
 京介とテクロイドたちは、テムジンを停止し、エレナを救できるのか? 暴走の裏に仕組まれた犯罪の真相を暴くことはできるのか? ロードレンジャーの追跡が開始される。

 「テクノポリス21C」って、2001年の物語だったのですねえ。いま書いてて、あらためて時代を感じます。