《スカイターボ》

 1979年に登場した、シリーズ原点回帰の「仮面ライダー(新)」
 ベルトに重力低減装置を備え、高空を滑空する“セイリングジャンプ”を、最新で最大の特徴とした“スカイライダー”であったが、ライダーとしてのアイデンティティもきちんとおさえた登場で、専用マシンで敵アジトに突入する“ライダーブレイク”は、背後で爆薬を爆破して迫力を煽った従前のライダー(V3が有名)のバイクスタントよりも、スーパーバイクとしてのリアリティを持っていた。

 スカイターボは、水素エンジンを搭載し、ブーストジェットノズルも備えた低公害マシン。
 普段は市販のバイクにカムフラージュされているが、ライダーの変身と同時に自動変形する。無人走行も可能で、地雷感知用レーダーなどを装備する。
 最も優れた能力は、前輪近く(フロントカウル内部なのか?)に設置されている「HVG・超振動発生装置」だ。
 この装置によって前輪を超硬質化し、後部マフラーのジェット噴射で体当たりするライダーブレイクは、鋼鉄の壁をも粉砕する。
 設計・開発は志度敬太郎博士。彼は世界的な生体改造工学の第一人者で、ネオショッカーに協力を要請され、拉致される。その際に居合わせ、重傷を負った城北大学生、筑波洋を仮面ライダーに改造し、洋と脱走する。
 若い頃にはハンググライダーをこなしていたスポーツマンであるということだが、生体工学、サイボーグの権威とはいえ、志度博士がマシン開発までやってしまうというのはなかなか乱暴かもしれない。
 しかしスカイライダーの重力低減装置や、スカイターボの超振動発生装置なども博士が開発しているのなら、バイクの1台くらいは基礎設計をやってしまうのだろう。
 スカイターボは、ウイリーからライダーブレイクに移る態勢を考慮してか、フロントカウル下面に赤のアクセントカラーがあり、カウルからテールへのデザインや色彩も、鳥瞰で見るより、ローアングルからの方が特徴を見いだせる。