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死者は蘇ったりしない。亡者が墓を破って彷徨い歩くなど、おとぎ話の世界の出来事だ。そんな戯言で心を惑わされるうちは、一人前とは言えない・・・
頭で解っていても、目の前に現れたかつての師匠・鳴海荘吉と対峙した左翔太郎は、それがドーパントの仕業であることを認めたくなかった。
だが、現実を受け入れ、師匠の死を乗り越えていくことが、彼に科せられたハードボイルドの道のりだ。運命の子と云われる少年・フィリップを守り、支えられ、彼等仮面ライダーWは、ドーパントの陰謀を退け、そして彼等のあずかり知らない世界で起きていた、悪の組織の暗躍と、組織の手で生み出された“究極生命体”をも打ち砕くに至った。
異世界の、通りすがりの仮面ライダーは、翔太郎に1枚のカードを委ね、去っていった。そのカードの力によって、別の世界の風都から、漆黒のマシンを駆り、仮面ライダースカルが現れた。漆黒のマシンは、彼等のハードボイルダーに酷似していた。仮面の下のニヒルな笑顔は、死者ではない、あの荘吉であった。
「帽子がサマになってるじゃねぇか」
異世界の荘吉は、魂の連鎖と絆によって、翔太郎を讃えにやって来たのだ。
もうお前は一人前だと・・・ |