|
特装救急警察ソルブレインの組織機構には、2つの現場セクションが存在する。犯罪者の確保や要救助者のレスキュー、負傷者治療を担当する行動隊部が、ほぼソルブレインの代名詞となっている。
その一方で、行動隊員単独での救助活動は手に余るような大規模火災の消火作業や、被災地への救援物資搬送、被災者搬送に力を発揮する「母艦部」があり、6名の隊員と超大型救助・補給・指令母艦「ソリッドステイツ−1」が配備されている。母艦部隊長の矢沢武警視正は、行動隊部隊長・ソルブレイバー西尾大樹とは、警察学校時代の先輩にあたる。
この母艦は、全長30m、総重量12000tの巨体。水素核融合技術の導入により、空陸両用の運用が可能な出力を保有している。ハイドロ・フュージョンエンジンのスペックは明かされていないが、格納庫ソリッドハンガー待機状態からの出場はわずか1分。陸上は時速80km、空中では時速980kmで移動できる。
車体にはケミカルディスチャージャーや投下式消火弾を備え、中空型伸縮ラダーで超高層火災にも対応するほか、ラダー内のガイドウエイを利用して、搬送してきたソルギャロップを射出する。後部二段式格納庫の他、車体中央部にも格納庫兼コンテナモジュールを持っているため、物資搬送能力も極めて高い。
ソリッドステイツ−1のハンガーは、ソルブレイン本部とは別の場所に設置されている。ハンガー前面に広大なランディングスペースが確保されていることから、東京港の埋め立て地に所在するように見えるが、港や海の景観が見あたらない。多摩地域の都市郊外とも考えられるが、正確な所在地は資料不足である。
ランディングスペースは、周辺地域にタイする安全対策上のものらしく、ソリッドステイツ−1そのものは滑走路を必要としないVTOL能力で離陸する。その巨体は、なんと反重力場発生装置によって浮遊するのである。基本運用は飛行移動で現場に急行し、垂直離着陸用スラスターを兼ねる8輪のホイール・タイヤによって着地、自走へと移行する。都市過密地域では常に飛行モードで消火活動を展開しているようだ。
ソルブレインは約一年の活動を経て、組織改編が行われエクシードラフト隊に主力が変更となった。その後、この母艦も運用されている形跡はない。
|