《 DeLorean DMC12←→time machine》

 副社長のイスを蹴飛ばし、ジョンZデロリアン氏ははGMを辞任し「DeLorean Motor Cars」を設立しました。北アイルランド、ベルファスト郊外のダンマリーに工場を置き、工場建設と同時に最初の販売車、DMC-12を開発していました。シャーシ設計にロータス、デザインにジウジアーロの手が入っており、ステンレスパネルボディとガルウイングドアという、なんとなくイタリア系の香りと、アメリカがブレンドされたような姿。1981年から83年にかけて約8500台が生産されました。
 DMC社はその頃、社長の麻薬容疑による逮捕と、イギリスが出資していた資金援助の停止で倒産してしまいます(後に無罪が確定)。

 そのクルマ「デロリアン」はPRV社(プジョー、ルノー、ボルボが共同出資)製2850ccのV6リアエンジンを搭載、1ガロン26マイルの燃費。時速125マイルの巡航速度を出せるそうです。これを、あろうことかタイムマシンに改造してしまったのが、科学者エメット・ブラウン氏。時速88マイルに達すると次元転位装置が作動するシステムで、その作動条件に1.2ジゴワットの電流を得る必要があり、プルトニウムを利用した核分裂動力炉が内蔵されていたようです。デロリアン自体の走行には通常のガソリンエンジンを活かしていました。
 ただ、タイムマシンですから、ブラウン博士は未来へ転移した際にその時代の先端技術も取り入れており、タイプ2からは「Mr.Fusion」というリサイクル機関が搭載されています。核燃料燃料どころか、生ゴミでデロリアン自身の動力と転移装置の発電がまかなえる、そのうえ空も飛べるようになったため、時速88マイルのスピードを確保する為の滑走地が必要無くなりました。
 なお、タイプ3はタイプ2を踏襲していますが、再び過去に戻った際に故障し、廃坑に隠されていたものを掘り出して修理したため、タイヤは1950年代のものに付け替え、エンジンフード上にもタイムマシンの補機類をくくりつけています。最終的には鉄道用動輪に交換したタイプ4まで登場しました。