《spirit of LOTUS》


 アンソニー・コーリン・ブルース・チャップマンが、「新世代のセブン」として産みだした2シータースポーツ。それはセブンと同時に作られたエリートであるはずもなく、またライトウエイトスポーツのエランでもなかった。「ロータス」と言えば、自然と“ヨーロッパ”にイメージを持っていくのは、いろいろと理由もあるのですが、一度見たらそのカタチを忘れないという点で、美しい車ではないでしょうか。
 デビューが1966年、1500ccのエンジンにFRPボディという軽量化思考で登場し、 SPという72年の最終進化型でも1600ccにとどまっていた。しかしながら、ロータス・セブンのスピリッツを受け継ぐヨーロッパは、スーパーカーの座を射止めていますね。折しも70年代のロータスはF-1における強豪としても名を馳せていました。
 そのヨーロッパからバトンタッチされたミドシップスポーツが、エスプリ、エスプリターボとなるわけですが、エスプリのこれでもかという直線デザインは、ヨーロッパとは似ても似つかぬウエッジシェイプ。この車とTVR社の350などは、英国車というイメージすら払拭しているような気がします。 しかしロータス・エスプリ、エスプリターボは、アストンマーチンのDB-4、ヴォランテとともに、母国の諜報部員が採用している数少ない英国車です。まぎれもないグレート・ブリテンスピリッツというわけですね。
 そしてF-1。現代のレースマシンはそのカラーリングが目を引きますが、JPSスポンサードのこの黒地と金のストライプというボディは、70年代において一世を風靡したものです。90年代には白と赤のマルボーロカラーが誰にでも分かるデザインでしたが、そのマルボーロカラーが野暮ったく見えた時代があったのです。
 このロータス78は、マリオ・アンドレッティがステアリングを握ったモデルです。