《CORVER MONZA GT》

 フロントノーズにシボレーのエンブレムがあるので、コルベットもしくはコルベアの亜種と思われるのですが、この四半世紀中(おいおい)、このクルマの素性を知らずに過ごしてきました。

 紹介しているのはエーダイの1:28ですが、ダイヤペットあたりからも1:43くらいのスケールで発売されていたモノです。その小さいほうのミニカーは、1970年にはわが家に存在していました。現物はメッキがはがれ落ちてしまい、目下別の色に修復計画中です。

 このモデルに対して、当サイトをご覧になったShogoさんから、CORVAIR MONZA GTに関する解説をいただきました。
 以下にその解説を補足情報として加筆しました。
 Shogoさん、ありがとうございました。

 コルベアモンツァGTは、世界最大の自動車メーカー・米国ゼネラルモータス(GM)社のシボレーブランドで当時販売していた、コルベアという小型セダンのコンセプトショーモデルです。
 当時、GM社でデザイン担当の副社長をしていたビルミッチェルの下で、ローレンス(ラリー)・キヨシ・シノダがデザインしました。
ラリーシノダは、通称スティングレイと呼ばれる3代目(C3)コルベットのデザイナーとして有名な日系アメリカ人デザイナーです。

 市販のシボレーコルベアは、一見ただのスタイリッシュな普通の小型乗用車に見えますが、中身はVWタイプIIIのようなリアエンジンレイアウトで、独立サスペンションを採用し、当時のアメリカ車としては革新的でスポーティな車でした。
 リアエンジンの採用により、車としてスタイルに自由度が高かったことや、GM社としてはコルベアをスポーツイメージ、先進イメージで同じシボレーブランドのコルベットの弟分として「ミニコルベットのような存在」にしようとする意図があり、スタイリッシュなコンセプトカー、ショーモデルが作られました。
 しかし、市販のコルベアではリアエンジンレイアウトと独立サスペンションに起因するファイナルオーバーステアの操縦性について、これは欠陥車ではないかという告発があり、その告発者をGM社が探偵を雇って調べさせたりしたことがマスコミで報道され、イメージは急低下し販売が伸び悩んでいました。
 ちょうどそのころ、ライバルのフォード社が発売したマスタングは、外見はスポーツカーに見えつつ、中身は普通のセダンという成り立ちの気軽さが受けて大ヒット。GM社もマスタングに対抗して同様の成り立ちでシボレーカマロを登場させたことで、コルベアについては、後継車はなく生産を終えました。