《FAB−1 SUPER ROLLS ROYCE 》

 2026年製ロールス・ロイス。所有者であるペネロープ・クレイトン・ワード嬢は1999年12月24日に英国貴族クレイトン・ワード家に生まれました。執事兼運転手のアロイシャス・パーカーを従え、ロンドン郊外の豪邸に居住し、あの国際救助隊のロンドン支部スペシャル・エージェントを、「日常生活の傍ら」に引き受けています。英国情報組織F.A.B(Federal Agent Bureau)に所属していた経歴もあり、その履歴から彼女の愛車には「FAB1」、ヨットには「FAB2」のプレートが掲げられています。「FAB」という記号は、1960年代の英国での流行語「Faboulus(イカす!)」の略でもあります。
 なにしろFAB1はキャノピールーフでピンクのロールスロイス。最高時速は500km、水上航行能力、防弾・防放射線、金属ゴム複合タイヤ(前輪4、後輪2)、マシンガン、テレビ電話となんでもありの“スーパーロイス”ですから、そりゃもうイカしてます。



そして国際救助隊は2004年夏、スクリーンに帰ってきた。

            《FAB−1 with Ford 》

 全長7.3m、全幅1.8m、全高1.5m。重量は1,500kg。フォード製の3.5リッターV型8気筒エンジンを搭載し、FAB1は再びペネロープ嬢の愛車として登場した。
 ホイールレイアウト、車体色は継承されたが、驚くほどのリファイン。フォードによる水空陸汎用のスーパーラグジェアリーカーは、だいぶマイルドなフォルムをまとった。だがそれは、間延びしたマスクに過ぎない。リア側から見ると、女性の爪のようでもあり、獰猛さを隠している。
 でも、FAB1はロイスだろ? ジェットエンジンだろ? 心配無用。こちらのFAB1は、車体後部にジェットエンジンを装備しており、リアカバーを補助翼として左右に展開しながら補助ジェットエンジンをポップアップさせ、胴体下部から安定翼を張り出して空を飛ぶのである。この安定翼は先端を上下可変でき、下側に折る形で水上モード時の水中翼となる。
 しかし、ノーズのエンブレムは「フォード・サンダーバード」のそれに見える。タイヤはピレリ・スコーピオン ゼロ。サイズは265/35R22をはいている。