《トライチェイサー以前》

 特警ウインスペクター・警視庁特別救急警察隊(WSP)に所属するサポートドロイド・バイクルは、WSP行動隊長・ファイヤー/ナイトファイヤーを支援する陸上活動型アンドロイドであり、犯罪捜査能力、災害救助能力を搭載したWSPの隊員かつ第一線装備であります。
 なぜか名古屋弁で会話するバイクルは、自らの胴体に半格納されたホイールで自走可能ですが、このときの体勢は俯せ状態となり、追跡目標をロストするばかりでなく、安全性の面でも問題を抱えておりました。これを解消するため、警視庁が開発したバイクル専用白バイが「ウインチェイサー」と呼ばれるオフロードバイク。災害現場や追跡行動での走破性と運動性を重視したことからオフロードタイプが採用され、バイクル自体の機動力を保管すると共に、バイクルのエネルギー消費を抑える目的があります。
 バイクルには自衛装備として、背中のバックパックに装備している特殊警棒「バイスピア」が存在し、そのグリップは当初からオートバイ用のハンドル型が流用されています。この特殊警棒が、ウインチェイサーの始動キーとなり、左右一対のバイスピアをウインチェイサーに取り付けることでイグニッションが接続されるシステム。フロントカウル内には特殊弾を打ち出すランチャーを装備しています。
 フロントカウルの張り出し、特殊警棒をキーとするセキュリティ、特殊アタッチメントの運搬能力、通信用リアアンテナなどの特徴は、後に登場する警視庁の新型白バイ・トライチェイサー、ガードチェイサーシリーズにも、部分的に踏襲されていきます。