《地球防衛ビークルたち》
 ウルトラ特捜チームの地上戦力として活躍する車輌の数々は、趣味的に、ここにあげるものに絞ってしまいます。WINR(ウルトラマンパワード)のハマーなどは入れてもいいのですが、手元にないのでそのうちに・・・
 平成ウルトラマンのシリーズに先鞭をつけた「ウルトラマンティガ」の世界では、地球防衛という概念を越えた、世界平和連合TPCという組織のもとに、特捜チームとなるGUTSが所属しています。
 GUTSの機動力は、イエローとブラックがイメージカラーで、航空機も車輌も1番手にイエロー、2番手にブラックを採用しています。そのイエローのパトロール車輌が“シャーロック”。カマロがベースのようですが、ガスタービンエンジンを搭載し、光学式(なんだそれは)バリア、ビームランチャーを装備しています。悪路走破性だけでなく、専守防衛の装備の高さでは、四輪駆動車の“デ・ラ・ム”が、シャーロックよりも上と思われます。

 シャーロックは歴代ウルトラビークルの中でも傑作プロップと言えるデザインですが、ルーツをたどれば、やはり怪獣攻撃隊MAT(帰ってきたウルトラマン)が運用していた、マツダコスモスポーツをベースとするマットビハイクルにあたるでしょう。
 一方、ごつい形と武装というデ・ラ・ムのルーツは、ウルトラ警備隊(ウルトラセブン)のポインターからの派生でしょうか。ポインターが四駆であったかどうかは不明ですが、要は、ポインターにはパトロール・追跡・防御・攻撃能力の全てが取り入れられており、これらの諸機能を、GUTSでは分割して個々に優れたものに仕上げたということなのでしょう。
 この特殊車両の二分化傾向は、GUTSの後任であるsuperGUTS(ウルトラマンダイナ)にも引き継がれ、パトロール兼追跡戦闘用マシンゼレット、多目的調査兼重装備型マシンボッパーへと変遷します。歴史的にはウルトラ警備隊もMATも、AFVとしてジープを別枠で所有していました。特殊車両の二分化という意味では、ZAT(ウルトラマンT)なども含まれます。
 その後ウルトラビークルにはハイブリットモデルも採用され、チームEYES(ウルトラマンコスモス)ではガソリンエンジンとバッテリー駆動併用のシェパードが活躍しました。

 そしてすべてのウルトラビークルの原点が、科学特捜隊(ウルトラマン)の、その名も“科学特捜隊専用車”です。地上戦力の基本中の基本、現場に急行、初動捜査にあたるという一筋の機能を忠実に果たしたのが、この車です。