《シャドーモービル》

 UFOがムーンベースの水際迎撃網を突破して大気圏内に侵入、地表に着陸した場合、調査あるいは迎撃するために運用される、3名乗車の特殊車両。
 指揮用と捜索・攻撃型の3種類のモービルが用意されており、専用の擬装トレーラー・モービルトランスポーターや大型輸送機・モービルキャリアによって目的地まで搬送される。モービル部隊は指揮車1両に捜索・攻撃型2〜3両で1チームを形成し、作戦行動を取る。このため、モービルキャリアには最大4両のモービルを搭載できる。
 シャドーモービル単体の機動性は、平地での最高速度が時速80km。いかなる不整地も走破するほか、水上走行速度も30ノットに達する。キャタピラによる走行という点が、最高速度やサバイバビリティにおいては多輪方式に劣るが、このへんがいかにも1980年代の技術によるメカニックらしい。
 攻撃型モービルに装備されるロケットランチャーは、一撃で UFO を破壊する。

 UFO撃退の準備は出来た

 1980年代、 すでに人類は、地球防衛組織 SHADOを結成していた。
 SHADO の本部は、イギリスのとある映画会社の地下深く秘密裡につくられ、沈着冷静なストレイカー最高司令官のもと、日夜、謎の円盤UFOに敢然と挑戦していた・・・

 宇宙の彼方から襲来する謎のUFOと異星人を迎え撃つ、地球防衛組織 『 SHADO (Supreme.Headquarters.Alien.Deffence.Organization )』 の戦いは、既に四半世紀前の物語となっている。UFO接近を探知・警告する偵察衛星SID、UFOを迎撃するインターセプター、ムーンモービル。その待機基地であるムーンベースと地上を往還するルナ宇宙艇とルナキャリア。一方大気圏内では、七つの海に配備された攻撃型原子力潜水艦スカイダイバーと、その艦首から射出される攻撃機スカイ1、地上ではシャドーモービル、シャドーカーでUFOを追撃、撃退する。
  「サンダーバード」や「キャプテン・スカーレット」を手掛けたジェリー・アンダーソン氏の1969年の作品で、スーパーマリオネーションではなく俳優を使った特撮番組。日本では1970年から71年にかけて『謎の円盤UFO』として放映された、近未来SFであった。
 ハヤカワ書房から出版されていたノベライズ(全2巻)は、テレビストーリーのダイジェスト的な内容だったが、テレビドラマの尺では語りきれない部分のフォローがあり、面白い作品だった。