《もっと載せたいけど退却ーっ》
 生物兵器なのかと思いきや、その乳白色の装甲は、世界一のしなやかさを備えた「やわらかチタン」。饅頭とも桃とも見間違えられそうな、ハンドボール大の顔?と、左右にキャタピラが付いている。「戦車」とされているが、戦車というのは現代では、『不整地機動性を確保する履帯を備え、火砲を搭載した旋回砲塔を持ち、敵主力戦車(MBT)と直接火力を交えた戦闘が可能な装甲防御を持つ車輌』と言われているので、定義上かなり怪しく、やっぱり生物兵器ではないのか?
 でも彼らは「やわらか戦車」と呼ばれるし、頭部の自在な形状変化によって極めて安定したハードポイントが成立して、練り物キャノン(ちくわ)から子育てキャノン(ほ乳瓶)、シャチハタキャノンと、様々な固定型砲をくくりつけることもできる。ただしこの柔らかさは、つつかれすぎると腐るという弱点にもなっている。
 長男を兄者と呼ぶ以外は、次男以降に特定のコードはないようであり、どれを撮っても量産型。しかし兄者は時々さらいに来た猫に連れて行かれた先で、ジェーンという現地妻を持っており、べいびーという息子も存在する。
 最近ではせいろで蒸されて『とくしゅ部隊』にバージョンアップしたり、あんこを詰め込まれて『兄者焼き』などという別モードにも変化する。もともとはカツラと眼鏡を使った『73式』モードへの変装というギミックを持っているので、この手の形状変化は得意らしい。しかも、やわらかチタンは金属探知器を容易に素通りできるのだ。
 普段は小学生にこっそり飼われているが、サマワをはじめ世界各地にPKF派遣されている、立派な兵器なのである。前進・後退自在の機動性を有するが、もっぱら退却すりのがが基本性能。必殺技の「まみむめ藻」を体得中。