つくばーど
in
猪苗代
本戦までの2週間という時間が短かったのか、長かったの か、ふとわからなくなるツーリングでした。 「下見の頁」と比べてお分かりのように、山の木々は新緑にあ ふれ、路傍のふきのとうはたんぽぽへ、 満開だった山桜もツ ツジへと景色を変え、彩りはより鮮やかとなった猪苗代の山あ いを、分水嶺の峠をめざして進みます。 上空の青空には飛行機雲が一筋。 標高は下見のときの行 き止まりを越えて、少しずつ数字を刻んでいきます。
エスクードというクルマは、林道を走るのにジャストサイズ の四輪駆動車です。 轍越え、すりぬけ、すれ違いに、 何一 つ不安を感じさせないボディ。非力 と言われながらも ストレ スなくトルクを引き出してくれるエンジン。 初代においては他 車と少し変わった足回り。 それぞれがマッチして、 街から野 山へと駆けめぐります。 「この道のために在る」と言わんばかりのジムニーも、軽い 車体を存分に活かしてコーナーを抜けていきます。 せり出し た雪のすり抜けは、 当然エスク以上に得意技。
しかし、 林道は、そんなに甘くないのです。 またも立ちはだ かる雪の壁。 子供は喜び、 大人は苦笑い。 「ジムニーなら行けそうだけど」 「無理に行くこともないよ」 山は春から夏へ移り変わろうとしているのに、 冬の名残は まだコーナーを閉ざしています。 まるで「もう2週間したらまた 来いや」とでも言っているかのようでした。 この憂さ晴らしは夜の宴会で、 とその場で合意。 本戦も引 き返しを決断となりました。